menehune旅写真プラス

menehuneの写真旅の記録。お気に入りの映画、書籍とアニメのインプレ、ライフハックもたまに更新。


スポンサードリンク

北九州へ。歴史的近代建築を巡る旅(4)戸畑・若松エリア。 2008年2月14日


スポンサードリンク

戸畑駅前から若戸大橋を望む北九州2日目。門司港駅から鹿児島本線戸畑駅へ。海側の駅前にはかつて明治製菓戸畑工場が存在しましたが、今は更地となってしまいました。
戸畑駅前から若戸大橋を望む。この道をまっすぐ。若戸渡船方面へ歩みを進めます。

ニッスイビル若戸大橋のたもとの渡し舟乗り場に向かって歩くと洞海湾に面して日本水産戸畑ビル(ニッスイビル) があります。旧共同漁業ビル。1936年(昭和11)竣工。捕鯨基地として栄えた北九州を象徴するビルらしい。

日本水産戸畑ビル(ニッスイビル)このあたりの番地は「銀座」。東京の銀座にあってもおかしくない風格の建物です。
漁業用無線のアンテナが切れちゃいました。

若戸渡船「若戸渡船」乗船場から対岸の若松へ向かいます。日常の足として淡々と乗船作業は行われますが、旅人にとっては5分足らずのの長閑な船旅です。

若戸渡船対岸の若松対岸の若松地区には〈上野海運〉のビルが見えています。

上野ビル
今回の旅のお目当てのひとつである〈上野ビル〉。旧三菱鉱業若松支店。1913年(大正2)竣工。設計者は三菱丸の内建築事務所の所長を経験した保岡勝也で、清水組によって施工されています。

上野ビル外観本館は鉱滓煉瓦による煉瓦造3階建の建物で、現存する建物は玄関部1階が増築されています。最上階部も改造されているため、補修が施されていない壁部分や窓廻りに当初のデザインが残っています。今でも現役で使用されているオフィスビルです。とても枯れた味わいを醸し出す外観。テナント募集中。借りたい。出来れば住みたい。

上野ビルエントランス上野ビルエントランス。石炭の輸送基地として栄えた若松を象徴する、現存かつ現役使用されている貴重な近代建築だと思う。木製ドアと板張りの廊下。渋い。いざ内部へ。

上野ビル1‐2階階段踊り場
階段を2階へ進みます。すべてが渋いです。

上野ビル1‐2階階段踊り場
縦長窓を規則的に配置したシンプルで重厚な外観に対して、内部は中央が広い吹抜け。装飾付きの手摺やステンドグラスを用いた豪華な意匠が施されています。大半の部材が木造なのがさらに渋いです。

上野ビルステンドガラス

上野ビルステンドグラス

2階から3階への階段。

2階と3階をつなぐ階段の踊り場から、階下を見下ろすと、こんな感じです。2階部の吹き抜けは透過性のある素材で目隠しされています。

上野ビル3階から直上のステンドグラスを手が届きそうな場所にステンドグラスが。防水処理はどうやっているんでしょう。

上野ビル背面背面に回ってきました。

上野ビル本館と倉庫棟上野ビルは本館のほかに倉庫棟も現存します。

上野ビル倉庫棟上野ビルに付随する倉庫。三菱のマークが上部に伺える。

上野ビル倉庫棟青空を背景に三菱のマークをあしらった倉庫はとても美しい。


朽木ビル若松を象徴するビルのもうひとつが朽木ビル。1920年(大正9)竣工。栃木(とちぎ)じゃないです。朽木(くちき)です。

朽木ビル
杤木ビルは、杤木商事株式会社(現杤木汽船株式会社)が1920年(大正9)に本社として建設した事務所ビルです。

朽木ビル杤木商事は、1901年(明治34)に、杤木順作商店として若松町(現若松区)で創立。さらに、1915年(大正4)には、この商店が営んでいた海陸運送業、石炭販売業、代理業、請負業、鉄工造船業など一切の業務を受け継ぎ、資本金60万円で杤木商事株式会社が設立されました。その5年後に本社屋として新築されたのが、杤木ビルです。 3階建の建物は建設年代からするとまだ珍しかった全鉄筋コンクリート造が特徴です。1910年代になって、初めて全鉄筋コンクリート造事務所建築が建てられてからわずか数年後に取り入れていることからも、杤木商事の繁栄ぶりが伺えます。
海風に晒される環境ながら状況は良好に思える。88年前のビルとは思えない。
小ぶりながらとても味のある現役オフィスビルです。

旧吉田傳七商店ここから、JR若松駅に向かって歩きます。〈旧吉田傳七商店〉(現株式会社デンヒチ)。石炭・建築・左官材料・油脂類等の卸販売を営んでいました。明治30年くらいに建てられたらしい。現代風に改修がなされているが、京都辺りの古都にあってもおかしくない町家建築。特徴的な防火壁がここでもアクセントとなっている。


若松のバスハウス今泉

〈バスハウス今泉〉これも特徴的な防火壁を建物両端に備える町家風建築。

若松のバスハウス今泉最初から浴場として設計されたものなのでしょうか。現在はクアハウスを営んでいるようです。

大正町商店街この辺りは昔からの大小の市場が散見できて楽しいです。

若松・丸仁市場
横浜にも私が小学生くらいまではこんな市場がありました。大型SCが若松駅付近に進出しているが、いつまでも庶民から支持される商店街であってほしいです。
2008年2月に放映されたNHKドラマ「フルスイング」のロケ地にもなりました。店頭で揚げる魚の練り物を買い食いしたくなった。

料亭金鍋
〈料亭金鍋〉。1895年(明治28)創業。黒漆喰の壁と木のバランスが古さを感じさせずに保たれている。

料亭金鍋急ぐ旅でもあり、食事は出来なかったが、もっと大人になってからのんびり訪れたいですなあ。

JR若松駅JR若松駅までたどり着きました。ここから若松バンドへ引き返します。

石炭会館〈石炭会館〉。1905年(大正38)竣工。石炭の積出港として栄えた若松のシンボルのひとで、煉瓦造に見えるが木造です。

石炭会館の階段正面玄関からまっすぐに左右に枝を持つ木造階段が印象的です。

石炭会館




若松バンド若松バンドから若戸大橋を望む。 〈旧麻生商店〉など近年取り壊される建物が続出し、かつてほどバンドの魅力はなくなってしまった。〈旧古川鉱業若松支店〉も魅力を感じさせない化粧直しを施され、もはや上野ビルが最後の砦といっても差し支えないかもしれません。

ここまでの撮影機材はSONYα700と、MINOLTA AF17-35 F3.5 およびAF24-105 です。
次回は、北九州へ。歴史的近代建築を巡る旅(5)下関秋田商会と、大里の模様をお伝えします。

 


スポンサードリンク