2012年4月からオンエアされる、米澤穂信はん原作の小説をアニメ化した『氷菓』。
本稿では、岐阜県高山市を列車で訪ね、物語で描かれるであろう高山市内のあれこれを妄想し、先回りして聖地巡礼しようという企画です。その4です。
写真は特段の断りが無い場合、すべてSONY A900と16-35 F2.8 ZAの組み合わせです。
高山市街地から北東にひと山超える感覚で辿り着くのが、丹生川町。
「古典部シリーズ」で「陣出」と呼ばれているエリア。先行聖地巡礼。
市街地よりもさらに雪深い。
「北方橋」という小川に架かる橋の交差点を左に入っていくと、
旅館「四反田」。語呂からして「千反田」に近いというのと、千反田家の豪農ぶりを髣髴とさせる佇まいが、「千反田える」の自宅モデルとして噂されている。
ちなみにこちらは原則カップル以上の宿泊が前提。「お一人さま」の宿泊は週末は対応していない。
平日で空きがある場合は対応してくれるとのこと。
高い塀はないが、
「遠まわりする雛」で「奉太郎」と「える」が並んで夕日を眺める縁側も確認できる。
「四反田」から「北方橋」に向けて引き返し、橋を渡り反対岸へ。
そこには小高い丘があって、
「白山神社」はもっと地味な佇まいかと思っていたが、思ったより規模が大きい。
「遠まわりする雛」では「水梨神社」そして「生き雛」の舞台として描かれる。
「生きびな祭り」が有名なのは高山駅からJRでひと駅の「飛騨一之宮」にある「水無神社」だ。
「水無神社」は今回の旅の最終日に訪ねたので、追って紹介します。
意外に大きく長い石段。
結構な石段を登ると意外な高さだ。 「ふたりの距離の概算」ではマラソンを中断して「奉太郎」が
「える」に事情聴取した場所でもある。
境内は積もった雪のせいもあってか参道の規模と比して小ぶりな印象。
社務所は境内にはない。一段低い丘の中腹にそれらしい建物はあるが。
原作で描かれた通り、古さを感じる。
ただこの静けさはなんだ。来た甲斐があったというもの。
「北方橋」の交差点にある、恐らく休業中の「スナック SHIGE」。
「遠まわりする雛」で「生き雛」の裏方として「谷本シゲ」というモブキャラが登場するのは偶然ですよね。。。
「北方橋」まで戻って下流に目をやるとここにも桜の木が。どの木が狂い咲くのだろう。
「北方橋」から小川を下流に向かい歩くと、やがて「今井橋」に行き当たる。
ここでも「遠まわりする雛」で描かれた中身との符合のようなものを垣間見ることが出来る。
この「今井橋」の北側は「丹生川町北方」 。
そして南側は「丹生川町坊方」とよばれているのだ。
そしてこの大仰な立て看板。まさに不仲的な壁を感じなくもない。
実際なところ、「遠まわりする雛」で登場する、3つの橋「茅橋」「長久橋」「遠路橋」の位置関係をここ
「丹生川町北方」で完全な検証をすることはできない。
しかし、醸し出す空気を充分感じることは出来る。正直「上がる」。
ここも桜の頃、また来たいのだが。
丹生川町へのアクセスはバス便があるが、本数は多くない。私は往復TAXIを使った。
帰りは行きの運転手はんに頼んで時間を指定して迎車をお願いした。迎車の追加料金は100円だったと思う。
往復で5,000円は見ておいたほうがいい。
2月3日最後の訪問地、 「日枝神社」 。
手すりの付いた急な階段があり、社務所の佇まいなど、原作「あきましておめでとう」で描かれた「荒楠神社」のイメージは「桜山八幡宮」よりもあったりする。
杉の巨木が目立つ境内。雪除けなのだろうか。本堂へのアプローチには屋根が建てられ、バリアフリー的に板を使った傾斜が正面と左右に設けられている。
ここ日枝神社にもお稲荷様はあるけど、位置的には「あきましておめでとう」とは異なる感じだ。
2月3日、初日の宿泊は「高山桜庵」。夕食と朝食が付いたプランで11,600円。
ロビーで下駄箱に靴をしまい、あとは館内すべて素足で歩く仕組み。ちょっと新鮮。
部屋にはシャワーブースしかない。もっともここの売りは最上階にある展望風呂なので当然か。
その展望風呂は露天風呂や3つの貸切風呂もあって湯加減もいい感じ。
温泉、久しぶりに入ったけど、いいもんですね。
高山駅から少しだけ歩くけど、施設の新しさと朝食のブッフェもメニューが豊富で満足。
CI は16時半ころに。夕食券をもらったんだけど、「17時半の回」は満員とのこと。
レストランでの夕食は入替制らしく次の回は「20時の回」だそう。そんなに待てないので、夕食はキャンセル。
ツーリストの予約段階で夕食の説明と時間のリクエストが出来ないのは、こうなったときに困るのよね。
次回はこちらも気をつけよう。
湯を浴びて夕食はホテルから至近の焼肉屋へ。JAひだが運営するお店らしい。
せっかくだから飛騨牛を食したいし、11,600円のレートで出される夕食の中身も知らないので。
むしろ夕食キャンセルで正解じゃね、とか思いつつ飛騨高山の地ビールをあおりながら飛騨牛を堪能。
美味かったです。