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ファミリー・ツリー(THE DESCENDANTS)を観た。


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ファミリー・ツリー(THE DESCENDANTS)を観た。
DESCENDANTとは辞書を引くと「末裔」「由緒正しきもの」という意味。

ネタバレ箇所があるので、これからの方はご注意を。






人はいつか死に、残されたものはそれを見送ることになる。
舞台はハワイ。
主人公は事故で二度と意識が戻らないと医師から宣告された妻をどう見送り、同時に代々ハワイ王朝から受け継いできた広大なカウアイ島の土地を手放す(売却する)二つの問題に直面する。
妻の父親からは罵声を浴びせられ、「末裔たち」からも非難を浴びる主人公は残された娘二人と、どうやってこの二つの「別れ」に立ち向かっていくのか。

ハワイの美しい風景をバックに物語は進行する。主な舞台はオアフ島とカウアイ島。
ハワイの玄関口、ホノルル空港とワイキキのあるオアフ島は日本人にもお馴染み。
片やカウアイ島は旅行者にとっては高嶺の花的手つかずの自然と高級リゾート地が共存する(一応ね)島だ。
私は幸運なことに、以前仕事でカウアイ島のプリンスヴィル・リゾ-トに滞在したことがあるので、ホテル前のビーチや美しい夕日の場面では懐かしさがこみ上げてきました。
そんなわけで、ハワイに慣れ親しんだツーリストであればこの映画はそれだけで楽しめるといってもいいでしょう。

一方、物語自体が魅力的かどうか。主人公の妻はその生き様や性格がほとんど描かれないまま、冒頭からいきなり植物人間になってしまう。主人公のモノローグや、長女の告白から、生前の行いやキャラクターが少しは垣間見えるが、結局「去る者」としての形式的役割しか与えられてはいない。
また、主人公が代々受け継いできたハワイ王朝の末裔としての文化的役割や、心の支えとなる事象も、エンディング近くでさらっと触れられるだけ。

物語の軸として、これら二つの「去りゆくもの」の紹介があった方が良かったのでは、と思う人も多いと思う。
ただ、恐らく作り手は「去りゆくもの」でなく、「見送るもの」の心の動きを描きたかったのだろう。
物語序盤から登場する主人公の長女の彼氏としてキャスティングされているポリネシア系のチャラ男君などはまさにその象徴の一つ。
チャラ男君が長女と主人公の触媒的役割から、徐々に主人公に感情移入していく演出は見事。
そして妻の父親の娘を思う演技の素晴らしさ。
さらに、最後に「見送ることをやめる」主人公の決断に同調し、その決断を「許す末裔たち」。

結局、出てくるヒト、みんないいキャラで纏められてるわけで。
浮気相手の男は仕方ない。主人公の妻側の心情は、前記の通り「装置」以外の役割が与えられていないので、これも仕方がない。

ラストショット(少しだけ長回し)を観て、観客は皆、晴れ晴れとした気持ちでシネコンをあとにできる、といった具合。

ジョージ・クルーニーの好演も見逃せない本作。
「疑似的見送り体験」をしたい方にはオススメです。

でもできることなら、「見送る方」にも「見送られる方」にもなりたくないのは多くの人が思うことなのでしょうけど。


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