【追記】アニメ「たまこまーけっと」2話、オンエア後の雑感。
2話を観て、まず、最初に気づいたこと。
クレジットされていないせいもあって、以前のエントリで書いたたまこの電車通学の件の妄想は、本作ではオミットされたようですね。
「らき☆すた」は置いといて、「けいおん!」の頃は、まだ「聖地巡礼」が一般化されていなかったせいもあるのでしょう。逆に言うなら、「けいおん!」がその本格的な火付け役となったのはいまさら言うまでもないでしょう。その後の流れを受け、京アニはん(や、他のスタジオ作品でも)のタイトルにも「スペシャル・サンクス」とか「取材協力」というクレジットが入るようになりました。
同スタジオの前作、「中二病でも恋がしたい!」でもクレジットされていた「京阪電鉄」が本作のクレジットに無い、というのが、その証左です。
たとえ、後から出てこようと、1話からクレジットするのが通例のようですし。
よって、ロケ地を出町柳から藤森へワープさせたのには、他意はない、ということでよろしいのかと。
「たまこ」たちは徒歩で、商店街近くの「うさぎ山高校」まで通っている、と見ていいでしょう。実在の「聖母女学院」はあくまでモデルとして描かれるようです。
下手したら、鴨川デルタのあのあたり、まったく描かれない可能性も出てきましたね。
そして、本編ですが。。。
解っちゃいるけど、スロー・スターター。
物語の主題や、方向性が見えない、とお困りの貴兄も多いことでしょう。私もそうです。
前回からたとえに引用している、アニメ「琴浦さん」も、OPの主人公がOP曲を歌いながら、各キャラと行進、という同じ演出なわけですが、やはり少し出遅れた感は否めません。
それと、「琴浦さん」のESP研究会の門構えが、「京アニショップ」のCM(「中二病編」)で描かれるそれと酷似している印象で少し笑えます。
劇中歌の洋楽のそれは、少し狙いすぎじゃないかな、と思います。ググッても出てこないような楽曲をあてたところで、FANを牽引できるのかと。
誰かが誰かを愛してる、っていうのは、ブライアン・アダムスの「Somebody 」でもありましたよね。
「I need somedody ,(somebody like You) Anybody needs somebody」ってね。
てな具合に、いまだその方向性が見えない「たまこまーけっと」。
態度保留、とするしかないでしょう。
【1月21日さらに追記】
「CUT」の記事を読んだので、そのあたりも含め、少しだけ追記。
「しあわせのコラージュ」を本作で製作陣は描きたいんだろうなと。
前述した、劇中のキーワード、「誰かが誰かを愛してる」要素を各回ちりばめ(コラージュして)ていくのだろうなと。
大筋としては、「鳥」の目的の達成が物語の骨子となりそうですが、それ以外のエピソードは一応「各話完結」で流していくのではないかと考えています。
1話では「もち蔵」から「たまこ」へのエモーションを(このラインだけは最終話まで引っ張るか)。
2話では「みどり」から「たまこ」への想いを、という具合に。
各エピソードの続きはありません、てな具合に。
それぞれのキャラの感情が各話で描ければ、それでいい、とお考えなのかもしれません。
よって「みどり」のエピソードは2話で完結、というのが私の見立て、です。外れたらハズカシ!
それにしても、「CUT」のインタビューのカントクの思想、 「しあわせなお話をしあわせな見せ方で描く」 (と私は解釈しましたが)という山田カントクの考えは、立派だし、理想かもしれないけど、まんま賛同はできないですね。
その演出スタイルに物語の推進力はあるのか? ここが鍵です。
何度も例えに出しますが、今期なら「琴浦さん」がなぜああまでダークホース的なぶっちぎり状況を呈しているのか。
「まどマギ」の演出論が何故ああまで支持されたのか。
極論過ぎるかもしれませんが、ああやって、「いったん落として上げる」っていう手法が、貴方もわたしも大好きだからでしょ。
実写でも物語の基本は「落として上げる」ってのはむしろ、王道です。
「カリートの道」「シザーハンズ」 (落として上げて、バッドエンド、でもないかな)
「スーパーマン・リターンズ」「ショーシャンクの空に」 (落として上げて、そのままエンド)
ご覧いただいてる貴方も、同様のパターンはすぐさま思いつくはず。
主人公は苦悩し、再生の道を歩むのです。だからこそ、ラストのカタルシスが得られるのです。
それを無視する、ってことですよね。「幸せな作品」を「膝を抱えた少女」を描かずに創るっていうのは。
「けいおん!」ですら描かれた、「卒業」というクライマックスに向けての主人公たちの悩みがあればこそ、あの作品は輝いた。
そこを描かない。
そこに成長はあるのか。カタルシスは。
色んな意味でますます面白くなってきました。「たまこまーけっと」。
腰抜かさせて欲しいもんだわ。