映画「LIFE!」(The Secret Life of Walter Mitty)を観た。
吹き替え版のオカムラ某(なにがし)が相当酷評食らってるらしいが、そもそも眼中にないので、もちろん、字幕版をチョイス。
この某(なにがし)のアクトは「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」を観て以来、辟易しているので問題外。尤も、「問題の」吹き替え版は今週半ばに打ち切りにする劇場が結構あるようなので、至極まっとうな世間の反応かと。
制作は反省するように。
恐らく、面構が似てる、なんて安直な理由なんだろうけど、あまり世の中、舐めない方がいいと思う。
さて、その「LIFE!」であるが、雑誌としての「LIFE」はもはやこの世に現存しない、らしい。
書いている私も、神田の古本街でバックナンバーを目にしたくらいで、手にとってページを開いた記憶も無い。
しかしその存在自体は斬新なロゴデザインと共に「一種、お洒落な雑誌」として記憶に刷り込まれている。その程度だ。
写真をもってして世相を斬るというスタンスは「アサヒグラフ」や、若干下世話ではあるが「FOCUS」、「FLASH」などを連想する方もいるだろう。
なので、「LIFE!」のネガ(ポジでない辺りが微妙)を探す旅に出る主人公に、出だしから若干「?」てな感じで鑑賞スタート。
これは、「プロはリバーサルを用いる」という思い込みから来るもの。しかし、劇場で引用される紛失「ネガ」はモノクロなので、「TRI-X PAN」あたりなら正解かも知れません。
それを証明するように、主人公が探し当てたカメラマンが獲物を追っているカメラは「銀塩カメラ」なんですね。
この手の映画でお約束の、メーカーぼかし処理が施されていて、ペンタリズムに表記されるべきメーカーロゴはぼかされています。なんで、タイアップしないんだろうと、いつも不思議なんですが。なんにせよ、劇中使われてるカメラは結構安物モデルです。その形状からモデル名が判別できない、という点で。
少なくともAF導入前のモデルだよな、と思わせる割に、装着されてるレンズがどう見てもAFモデルなんですよ。
長玉なんで、300から400ミリクラスだとは思いますが、カメラ本体とのギャップありすぎ、って感じで笑ってしまいます。
シャッターレリーズも装着されてないし。マウントがマッチしてるんなら、MFなら使えるのかもしれませんが。
長々と、カメラ周りのことを書いてきましたが、つまり、全般、雑なんですね。本作は。
この程度の(とは言っても重要なカメラマン描写)ことに気を回せない制作が作ってるって事なんです。
エンディング近くで示される「LIFE!」の表紙、アレで泣けます? ほぼ満席の劇場ではすすり泣きが実は聴こえました。
※春休みなので、劇場めちゃ込み! あらかた「アナと雪の女王」目当てのようだったが、それを差し引いても30日のブルクは凄かった。警備に「何とかしろよ」、と囁いたら、運営と折り合いつけて行列の整理をしてましたけど。
顔も会わせたこともないフォトグラファとネガ管理係。偶然にしては出来すぎです。
そう、本作はこの、「偶然にしては出来すぎ」展開が多すぎ。こりゃ醒めるわ。
「人生」そう、上手くはいかないよ。
たかだか3、4日の出来事に「出来すぎ」、起き過ぎだよ。
それと、アバンからタイトルバック、そして本編への導入部の件で多用されるキャプション・レイアウトに関して。
なんだか洗脳されているような感じがしてBAD!
ジョン・カーペンターの「They Live」を思い出してしまう。
特に冒頭の本作のカメラワークは、建築的でスタイリッシュな、ある種のスマートさを具現化しているように見える。
それは観ていて、とても心地良いのだが、同時に、「広告」的な臭いを感じてしまうのだ。
だってこれって、要するに「OBEY!」ってことだもんね。
この冒頭を見て、「あっ、私はこの作品には従えないかも」って感じちゃったんですね。
劇中で使われている楽曲は40-50代なら乗れる。逆に20代だと多分無理。
ヘリに飛び乗る場面、「トム少佐」のネタで反応してる客の少ないこと。これは私の優位性を披露してるわけじゃないですよ。ただ「デヴィッド・ボウイ」を知らないんです。観客は。
ホール&オーツ然り。
全般、日本のコメディアンが、頑張って、監督してみました、の域を超えてない。駄作かなと。
ベン・スティラー。このヒトの作品、結構面白くないんだね。イケ面だとは思うけど。
予告編では本編で使われてない楽曲もあったりして、、、一体なんなんでしょう。
結論、あまりオススメ出来ません。