浜松で新幹線から東海道線に乗り換え、新所原駅で天竜浜名湖鉄道新に乗り換え。
佐久米駅まで、ぶらり単線の旅。
母親の実家が尾奈駅から車で15分程度の猪鼻湖畔にあったので、小さいころは豊橋から二俣線で来たものだった。
でも、恐らく佐久米に下車するのは初めて。
うなぎの名店〈さくめ〉でうなぎを食するため。佐久目駅からは目と鼻の先です。
実は法事のついでだったりする。
天然物をチョイスできたので、迷わず選ぶ。カウンターに腰掛けると、目の前でご主人が鰻をさばいて焼きに入る関西風だ。そう、関西風を食したかったので立ち寄ったのだ。
生簀には網に入れられた生きたままの鰻がおり、注文が入ると、ご主人が網からまな板に鰻を載せさばきに入る。
ご主人の動きを観察していると、養殖物と天然物の鰻は見た目でわかる。
養殖物の鰻が黒光りして全般細いのに対して、天然物のそれは黄土色に近い黒で、身の太さもひと回り太いんだ。
さばきの流れを簡単に説明すると、まず、まな板の上で暴れる鰻の頭部を押さえつけ、コミック「進撃の巨人」の巨人討伐の際用いる手法よろしく、頚椎にさくっと包丁で切込みを入れるんですね。首がもげない程度に包丁を打ち下ろす感じです。
すると、背骨への命令系統を鰻は失ってしまうので、動かなくなるんです。
すかさずまな板に穿った穴に、鰻の目辺りを目標に錐で打ち抜き、背びれを手前にして横向きに固定します。
鰻の背中側から包丁をいれ、腹まで貫通しないように包丁を尻尾の先まで滑らせます。
腹を中心に鰻を開いて腸を取ります。肝は肝吸い用にとっておきます。
背骨を包丁でそぎ落とし、背びれと尾っぽを切り落とします。背骨はボーン用に取っておきます。
焼き用に二つに身を切ります。 こんな感じです。
これをひたすらご主人は繰り返すのだからもう大変だなあと。
正直言って、食す前にこれを見ると、気分が悪くなるヒトもいるかもだし、私も少しだけ参ってしまった。苦手なヒトはカウンターは避けたほうがいいのかな。
味は良くも悪くもこくがある。脂っぽいわけではないけど、少しもたれるかな。
肝吸いは抜群に美味い。しかし、香の物がやっつけぽくて減点。