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〈箱根ホテル〉滞在記。そして今後の温泉・ホテルのインバウンド対策。


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箱根ホテル外観
〈箱根ホテル〉歴史のあるホテルだが、現在の建屋は1992年に再建されたものです。ホテル雑誌の表紙を飾ったころが懐かしいですね。その前衛的なデザインがもてはやされたと記憶しています。それから二十数年の時が過ぎ、先日、初めて同ホテルを訪れることになったので。そのインプレをまとめておきます。

 

喫煙可能な部屋が取れていない~システム不備?チェックインで躓く

まず、喫煙者は予約に注意。公式サイトで予約を取ると、検索項目に「喫煙」のリクエストを入れられるようになっているのだが、どうやらそのリクエストが検索結果に反映されない仕様のようなのです。実際、チェックイン後に通された部屋に灰皿が置いていないので、スタッフに訊いてみると、「この部屋が禁煙だからありません」と言ってのける。「公式で喫煙を選択して予約したんですが。。。」と喫煙部屋の希望を改めて告げると、しばらくお待ちください。部屋を確認してまいります、と相成りました。
待たされること10分。戻ってきたスタッフは、このグレードの部屋の喫煙部屋は満室で用意できない。しかし、ジュニアスイートのベランダでよろしければ喫煙いただけます、という提案を用意してきました。
こちらは吸えるのならどこでもいいのであって、快く了解しました。自宅でもホタル族なわけだしね。

※ちなみにこの予約システム、帰宅してから再度、別の予約を入れてみたが、やはり「喫煙」のリクエストは予約結果に反映されません。調べてみると、グループの宮ノ下富士屋ホテルや湯本富士屋ホテルでは条件検索が正常に行われているが、箱根ホテルでは行われないことが判明しました。要するに「喫煙」で絞り込むと、前2者はガクンとプランと部屋数の検索結果が減るのに対して後者は変動しないのだ。これがスタッフに予約情報が伝わらない根本かと。チェックアウト時に初日のスタッフからチェックイン時のトラブルを詫びる言葉があったので、状況の認識は行われたのでしょう。

 

結果、部屋がグレードアップされ、ジュニアスイートに通されました。少し訳アリの部屋のようです。

箱根ホテルのジュニアスイート

こうして通されたジュニアスイートは入ってすぐがダイニング兼書斎。中扉を開けてすぐ右がバス・洗面台とトイレ。そこから2段下ってベッドルームという仕様。ここからプライベートバルコニーへ出られるので、そこで吸ってくださいねというわけだ。スーペリアツインからグレードアップされたのは良いと感じたのは束の間、存外使いづらいこの部屋の仕様が明らかになりました。

箱根ホテルのジュニアスイートルーム

まず、公式サイトに掲載されているジュニアスイートの配置図と明らかに部屋のレイアウトが違います。公式サイトを見て気づいたのですが、段階的に浴室周りのリニューアル工事が行われているようで、公式に掲載されているジュニアスイートの内装写真と、配置図はリニューアル後のそれなんですね。私が通された部屋はリニューアルを待つ部屋だったというわけです。

箱根ホテルのジュニアスイート箱根ホテルルーム

階段を2段下ってベッドルームへ。ハワイなんかのスイートでたまにあるやつですね。バスルームとベッドルームの壁面が開放されるという、雰囲気はあってもメンテナンスを無視した造作のような気がします。リニューアルを待つ設計の古いこのジュニアスイートルーム。それ故か、水周りの使い勝手があまりよろしくない。以下挙げておきます。
*浴室の換気扇が多分動いていない。
*そのくせ浴室の奥にガラスとガラスドアで仕切られたトイレスペースには換気扇が無い。ゆえに用を足したのち臭いがこもりまくる。
*洗面、シャワーのお湯の出が遅い。

箱根ホテルのジュニアスイートルーム

〈箱根ホテル〉のジュニアスイートルームは一昔前の設計思想。バスタブでシャワーを浴び、そこから改めて湯張りをしないといけない。今時、センスのいいリゾートホテルや、ビジネスホテルでさえ、洗い場が付くところはあります。公式サイトに掲載されているリニューアル後の客室との差異は、以下の通りです。

*(リニューアル後と異なり)、シャワーブース兼洗い場がありません。幾らなんでも同じグレードでこの差は大きいですね。よって実は売られていない部屋なのかもしれません。
*(リニューアル後もそうなのだが)洗面所とトイレを同じ部屋にしなきゃいけない理由は何でしょう?このグレードで。臭いの件もあるので、トイレは個室を別途設けるべきですね。
*(蛇足だが)スーペリアツインからグレードアップ扱いなので、「ロクシタン」のアメニティは用意されておらず、スーペリアツインに一人取り残された際、バスルームを覗いて確認したアメニティと同じでした。つまり、ベランダに灰皿置いて、アメニティをグレードダウンさせた、ってことですかね。これについては言っても詮無いです。

 

〈箱根ホテル〉の温泉問題を挙げておきます

〈箱根ホテル〉は最近の改装で、温泉室が二箇所あります。大雑把に言うと、夜は3階が男湯。4階が女湯。そして朝はこの逆なんですが、今回の滞在ではかなり嫌な思いをしました。恐らくこの事象はこれから先、2016年以降の温泉宿、如いてはホテル業界全般に関わる問題です。さて、そもそも箱根ホテルの温泉はその浴室面積が客室数と比べて狭すぎます。であるから今年、客室をつぶして新たに温泉部屋に改装したのですが、それにしても狭いと言わざるを得ません。

湯船は3階4階とも内湯と半露天風呂、二つの浴槽が用意されているのですが、どれも3人も同時に浸かれば精神的ストレスだと個人的には感じるし、しかも今回ひどかったのはアジア人観光客の温泉マナーの悪さ。初日の夕食前、浴室に入って目を疑ったのが湯船に浸かり、浸かりながら桶で湯船のお湯を頭から掛けまくってているアジア人がいたこと。この時点では判らなかったが、コヤツが湯から上がり浴槽のヘリに腰掛け、タオルで垢すりを始めたので早々と引き上げる途中すれ違った仲間がハングルでコヤツに語りかけてたので韓国人なんでしょうね。そして翌朝、朝食前にひとっ風呂、と思いつつ、もしやここでもアジア人観光客が幅を利かせているのでは?と思い、脱衣所から浴室の様子を伺ってみた。。。露天風呂には浴槽に膝から下を浸し越し掛け、陰部にタオルを載せ、スマートフォンの画面を覗き込むアジア人が。内湯にはその仲間が。。。
その場で入浴は諦め、食後、チェックアウトまでの時間でもう一度覗いてみたのだが、ここにも昨日見た覚えのあるアジア人が。。。

因みにここは富士屋ホテルグループなんだけど、経験上、湯本の富士屋ホテルの大浴場の脱衣所には「携帯電話禁止」の張り紙があちこちに貼ってあるのに、ここでは見かけなかったなと。いやあ、スマホ見ながら風呂はいるヤツ、初めて見たよ。

 

今後の日本のテルにおけるインバウンド対策はどうあるべきか?

先週、ホテル評論の専門家と話す機会がありました。そこで伺った話です。アジア人観光客の増加とそれに伴うインバウンド需要で、ホテル業界はその稼働率の高さに沸いていると。京都などでは一介のビジネスホテルでも一泊2万、3万は当たり前の売り手市場であると。だがしかし、一部のホテルとホテルマンはすでに気付いていて、次の手を打ってきていると。それは何かというと。
*外国人観光客の受け入れ比率を格段に落としている。
*高止まりしていた宿泊費を、かつて適正な価格で泊まっていた日本人が納得できる水準まで下げてきている。

というのです。今回の経験はまさにタイムリーな体験でした。彼から話を訊いた直後の体験でしたから。外国人観光客というのは政治や経済動向で客足がぴたっと止まることも想定しなければならない。それなのに彼らのほうだけを見てビジネスしていると、旧知の顧客である日本人から見向きされなくなりますよ、という危機感を抱いているのです。

ではここ〈箱根ホテル〉を含めた箱根の温泉はどうなのでしょう。この秋、湯本の「吉池旅館」の日帰り温泉を利用した際、一般宿泊棟を通って大浴場へ向かうのですが、今時珍しく、客室扉横に「menehune様」(例)という前垂れが掛かっているんですね。それがすべて英語表記のアジア人名なんですよ。これにはびっくりしました。どうやら、アジア人に「箱根」「熱海」という温泉ブランドは深く訴求されているようで、このあたり、長年苦境に耐えてきた熱海や、大涌谷警戒レベル騒動で揺れた箱根がどう捉え、対応していくのか。そしてこれらの温泉エリアで、日本人はどの施設をチョイスすればハッピーなのか?とても面倒な、2016年以降の課題だと思います。

今回経験した嫌な思いを下敷きするなら、外国人観光客のオミットを表明した宿泊、入湯施設を狙いますけどね。

建築から25年を迎える箱根ホテルは、すでに現状に対応できているか厳しい側面がある気がします。内外装に階段を多用するため、バリアフリーではありません。恐らくロビーから1階のレストランへ向かう階段は視覚的にも迷彩化しているのでかなり危険です。そして竣工当時は斬新であったろう内外装はもはやメンテナンス不可能な状況を醸しており、これは箱根に限らず、自然と共生するホテルの宿命であろう。


しかし、ところどころ目に付く蜘蛛の巣やミドリ苔は何とかならないのでしょうか。

〈箱根ホテル〉の朝食会場で感じたこと。そしてホテル周辺のコンビニ事情

〈箱根ホテル〉の朝食会場のレストランで「ブッフェ形式ですので・・・」と案内された点は好評価です。「バイキング」と言わない、という点で。しかし、オペレーションには疑問が。人件費の問題なんだろうけど、オムレツを提供するコックが一人しかいない。コンロは二口あってその片方だけでせっせと滞在客の対応に追われている。みんなオムレツ大好き(皮肉だよ)なので、そこにヒトが溜まる。通路が塞がる。よって食事している方々のテーブルの間を縫って、奥にある料理を取りにいかざるを得ない。もう一人のコックが作業するスペースがあるのかまでチェックはしませんでしたが、土曜の朝でこの混雑なのだから日曜の朝はどうしているんでしょう。もしくは、料理の仕方は明るくないけど、空いているもう一口のコンロを使ってコックはんは同時進行的マルチタスク対応が出来なのかしら。

便数が少ないながら、小田原駅から送迎バスが出ている点はマル。往復利用で公共バス代が2,100円ほど節約できます。ホテル館内の自販機と、冷蔵庫内の飲料は観光地価格な上に種類も乏しいです。周辺にコンビにはあるのか、とフロントスタッフに訊くと、歩いて30分のところにセブンがありますとのこと。目の前が暗くなったが、気を取り直して周辺を散策すると、徒歩2、3分のところに酒類を販売している自称コンビニ店〈おわりや〉があります(むしろオアシス!)。平日の夕方、開店しているのはここだけ。活用されたし。ただし17時で閉店してしまうようなので買いこむなら早めの行動を。また、ホテル周辺の平日(の夕食)はどの飲食店も開いていないので注意です。
※因みに、宮ノ下の富士屋ホテルは徒歩5分圏内にコンビニ(ローソン)がありますよ。湯本の富士屋ホテルも少し歩くけど、片道10分でコンビニ(セブン)があります。

 

〈箱根ホテル〉滞在記まとめ

箱根ホテルのジュニアスイートベランダからの眺望

〈箱根ホテル〉は富士山を客室から望める立地は素敵なのですが、温泉施設が狭く、客室温泉も導入されていません。外壁の汚れも目立つ同ホテルはメンテナンスフリーな建物に建て替えるのもひとつの手かもしれません。今回体験したことはたまたまだったのかもしれませんが、もう少しゲストを満足させるオペレーションや設備の設えが必要でしょう。一つ美点を挙げておくと、喫煙のためベランダに出た際の、星が瞬く夜空の美しさは感動しました。

【追記】

2021年12月から2022年4月まで休業して外壁や設備、客室の改装を行う旨発表されました。どこまで手を入れるのでしょうか。

www.hakonehotel.jp


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