映画「さらば あぶない刑事」を観た。
若干のネタバレあります。
いや、存外、いい出来だったので、却って驚いています。
さすがに映画のロケ地としての魅力は、こと本シリーズにしてみたら、すでに何も残っていないと言ってもいいくらいなんですよ。それがいまの「ヨコハマ」なんです。
過去のシリーズで幾度となくその所在を転々とした港署も、本作では関内のオフィスビルだし、すぐ隣の指路教会もロケ地だったりするわけで、そういう意味では、「あぶ刑事」のロケにうってつけの場所じゃなくなっちゃったのよね、横浜は。
市民としては悲しい限りなんだし、実際、劇中では「ロケ地」の特定が非常にわかりにくい、というか、そうやって撮影せざるをえなかった現場の苦労が伝わってきます。
それほど、旨い絵面がいまの「ヨコハマ」にはないってこと。
大学生だった当時、あれほどドライブした「あぶ刑事」のロケ地巡りは本作では出来ないかも。
そんな感じで、若干白けながらの鑑賞開始だったのだが、中盤以降、結構引き込まれる展開に。
これは脇を固める役者陣の活躍が大きい。
敵役の吉川晃司はんは、ほぼユージとタカを食ってるし、鉄砲玉役の夕輝壽太(ゆうきじゅった)はんもいい味出してる(劇中の設定上、こいつはゲイ、、、だからどうこう言うつもりはない)。
味方側の脇役もいい味出していて、中盤以降は結構盛り上がります(ロケ地の曖昧さを除き)。
カメラワークというか、撮影レンズの工夫が随所に見られ、演出上のスパイスとしてうまく機能している印象。
ひとつだけ、ぶっちゃけちゃうと、ガルシアはあのシーンで、夏海を狙うんじゃなくて、素直に鷹山を狙っていれば、そこで決着は付いたんだけどね。
あとひとつだけぶっちゃけちゃうと、これは「ヨコハマ」でやるエピソードじゃないんだけどね。
そして、予告編から登場しちゃってるから今更だけど、日産自動車の全面協力による旧車の登場など、ロートル・ファンを泣かせる、設定盛りだくさんである。
役者陣は、亡くなった中条静夫はんオマージュで「近藤課長」ありきで話が進むし、ベンガルはんなど、往年の港署を飾った役者はんも出てますよ。
物語終盤は「明日に向かって撃て!」オマージュで、最後はいつもながらのドタバタなんだけど、ラストカットのストップモーションから、エンドロールへの繋ぎは素直に上手いと思ったね。
ここから後は、みんなも劇場で観よう。そして泣こう。
ただの同窓会では終わってませんよ。「さらば あぶない刑事」。
少しだけえこ贔屓だけど、物語の展開がご都合主義なのは目をつぶることが前提なので、そこは許してやって。
だがしかし、、、豪州を舞台にたディテクティブものとして、更なる展開はあるかなあ、、、とか思ったりします。