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映画「Sing Street 未来へのうた」を観た。


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ジョン・カーニー監督の「Sing Street 未来へのうた」は、我々の様なアラフィフにはどこか辛い映画である。

物語はキラキラしていて、観ていてとても気持ちがいい。向上心に溢れ、此処でない何処かへ向かい抜け出したい、という主人公たちのやる気が画面から放出されているのだ。ギグに向けてメキメキと実力をつけていくバンドと、主人公のヴォーカルは痺れます。

我々五十絡みの観客は、そんなほとばしる若さのシャワーを浴びることで、80年代の自分を思い出し、幾ばくか若返ったような気もするのだが、それは所詮懐古趣味であり、同時に、彼らのように振舞えていない、いまの自分を省みるという思考に繋がってしまうあたりが観ていて苦痛なのである。

若い頃、あれほど蔑んだ世の中の、会社の使えないオヤジ達に自身が成ってしまってはいないだろうか、そんな危機感を抱かせてしまうのが、本作「シング・ストリート」なのだ。

こういう前向きな作品を観てしまうと、少しでも現状の自分を改善できないか、と思いがちではあるが、少し視点を変えれば、年下の後輩に対して、何かしてやれることはないか、とも感じる。そうすることで、まだ自分の価値を見出せるのではないかと。

ただ往時を懐かしむだけでは終わらない本作だが、同時に、若い観客はつかないかという気もする。
公開二日目の日曜日のシネコンはそれなりに入っていたけど、実際そのほとんどが中年客であったことも証左かなと。
若年層にとって、登場するアーティストの楽曲や時代背景はピンとこないだろうし、さらに「MTV」という単語自体がほとんど死語だからね。

英国のEU離脱の影響が見えない昨今だが、往時のアイルランドイングランドの関係も、現在との対比で考えるいい機会になると思う。

それと、蛇足だけど、ラストのあれ、外洋舐めてんじゃないの、とは若干思った。

そんなわけで、登場するキャストは10代だけど、中高年限定の本作。ここんところ、洋画のアタリに巡り会えなかったので、久々のオススメ作品です。

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