映画「モアナと伝説の海(原題:MOANA)」を観た。
吹替え版を先に見て、2回目を字幕版とした。
歌の聴かせ方と、ミュージカル的アニメ演出は上手いねえ。ミュージカル映画としても「ラ・ラ・ランド」を大きく凌駕します。
モアナ役の屋比久知奈(やびく ともな)はん、マウイ役の尾上松也(おのえ まつや)はん、おばあちゃん役の夏木マリはんとも、違和感なくマッチしてると思う。
お三方とも、歌も上手だけど、やはり字幕版の歌唱の方が上かなあと。
2度目の字幕版を観たとき、なんと、モアナがマウイを罵る際、〈son of a bitch〉との給うシーンにびっくり。〈bitch〉の台詞自体はシーン跨りの体でカットされているのだが。
そもそもこれ言い出したら、アウトリガー付きの帆船で大航海をしているような時代だから、キャラクターが英語を話しているのはナンセンスなんですが、こういうことを言うこと自体もナンセンスなのでこれ以上はやめておく。
ただし、劇伴で英語以外の言語(ハワイ語?)で歌われている楽曲は複数あります。そして字幕版でもその歌詞に字幕は付きません。
因みに、彼女たちのボートと、〈アウトリガー〉はハワイを中心に展開する、〈OUTRIGGER HOTELS〉のブランドロゴにも使われています。意味は自分で調べよう!
感心したのはモアナをはじめとするキャラクターたちのポリネシアン的褐色な皮膚の質感がリッチだなあと。
深夜アニメを実況しながら観ているヲタトモで、〈わき〉とか書き込んでるフレンズは、〈モアナの腋〉は一見の価値があると思うのでオススメ。
もともと、このモアナという少女は適度にふっくらしていて、グラマラスに描かれているのだけれど、その彼女のチューブトップの胸周りが、呼吸に合わせて上下するものだから、拘ってるなあ、と感心してしまった。この胸の動きは、作画演出陣が異なるのか、モアナが島を出て冒険の旅に出るまでのシーンで散見されるが、その後は目立たなくなってしまう。この胸の動きもオススメポイントだ。
海に出ようとして、父親に引っ張られて村に帰る、というシーンが2回あるのだが、その際のモアナのぶんむくれる表情が日本的アニメのそれで、思わず微笑してしまう。
気持ち悪い解説はこのくらいにして。
物語は典型的な「主人公が旅に出て、苦難や軋轢を乗り越え、成長して帰還する」というもの。
そこに目新しさはないけど、どことなく〈HAWAII〉を連想させる舞台装置が物語に入っていきやすいのだ。
もっとも、そう思うのも、アラフォー以上なのかも知れない。最近の若者は〈ハワイ〉に興味などあるのだろうか?
〈モアナ〉はハワイ語でそのものずばり「海」を意味する言葉だし、アラフィフ世代のハワイ好きには〈シェラトン・モアナ・サーフライダー〉として知られている。現在は ホテルグループの統合が進み、名称はウエスティンに変わったが、クラシックな格調高いホテルだ。
一人の女性の成長譚というより、保守的な現状の思想を改革派が塗り替えていく、といった感。
テクスチャというか、CGの質感は目を見張るものがあり、とにかく絵はきれい。
マウイの神器を奪還する件は、EDの蛇足を含め、本作中珍しく中だるみするシーンだが、全般涙腺決壊は必至の娯楽作。今度の連休から春休み映画が大量投下されるが、オススメである。
公開館数は少ないが字幕版をオススメ。以前から申しているが、横浜だと音響設備の良さもあり、ブルク13を推しておく。
ここは、オープン当時からここでも指摘している通り、座席の質が良い、音響がいいので、Tジョイ・グループの中でも関東一なんじゃないかなと。
吹替え版のエンディングは日本公開版オリジナルでモアナが劇中でも歌う「どこまでも~How Far I’ll Go~」の日本語版が加藤ミリヤはんの歌で流れるのだが、これはいただけない。声量が足りないのと、モアナよろしく、ふくよかさも足りてない。そして白すぎる。
ヘイトクライムじゃないですよ。洒落ですからね。