映画「スプリット(原題:Split)」を観た。
若干のネタバレあります。
【公式より】
M.ナイト・シャマラン史上、最も衝撃的なラスト!女子高生3人vs 23+1人”の攻防。あなたはこの結末を決して予想できない!!
鬼才健在をアピールした「ヴィジット」からわずか1年余、M.ナイト・シャマラン監督がさらなる衝撃を放つ! 恐怖と緊張と興奮がスパイラルを織りなす「スプリット」は、彼でなければ生み出すことができない強力なスリラーだ。
女子高生3人組が正体不明の男に拉致された。密室で目覚めた3人はやがて、この男が“ひとり”ではないことを知る。神経質で潔癖症の青年、9歳の無邪気な少年、エレガントな女性…ひとりの人間の中で激しく入れ替わる人格。そう、彼は23もの人格を持つ男だったのだ!
私たちは物語の進行とともに男の心の闇を覗き見ることになるが、そこから醸し出される緊迫感は驚愕の24番目の人格の発覚によって膨れ上がり、クライマックスでは恐怖MAXへ。彼女たちを拉致したのは? 憎んでいるのは? 欺くのは? そして救うのは…いったい何番目の“彼”なのか!?
【以上公式より】
といった感じで、既に公式サイトのテキストで、ネタバレしちゃってるので何なのですが、TOMATOMETERでも75%と比較的好評価なのである。〈split〉とは分裂とか割れ目とかの意味です。
迷走期を脱したと思われる前作、「ヴィジット」もそうなんだけど、本作観賞前に予告編を見たとき、またホラーかよ、と思った。結構、怖いの苦手なんですよね。menehuneは。でも、実際観賞してみると、レイティングもされていないのでお分かりの通り、グロやショッキングな描写はありません。
そして、シャマラン監督、本作でもちょい役で出演してます。
本作、エンドロール中、結構なヒトが足早に退場していた。そりゃ、それなりに期待していたシャマラン作品が、最近は結構こっちの割合が多い気もするが、また肩透かしかよ!って感じで、足早に劇場を去りたい気持ちはわかる。
でも、エンドロール終了後、〈特報〉が入りますよ。
それは本作ラスト直前のダイナーのシーンでカメオ出演する〈BW〉が胸につけたネームプレートと、客の台詞、〈ガラス〉というキーワードである程度示唆されるものです。
既にネットでは出回っているかもしれないので、事前に調べていかないほうがよろしいかと。
そんでもって、本作なんだが、オープニングからもう、「ナニこの美少女!」状態なのである。
ちょっと日本のアニメキャラ的に瞳の位置が離れすぎな感がしないわけでもないが、アニヤ・テイラー=ジョイの圧倒的な存在感にまずヤラレ、その後もシャマラン監督の粋な計らいで彼女のナイスバディを堪能できる本末転倒的なB級スリラーじゃねえか! もっと見せろ! と言いたくなるほど、魅力的なのだ。事程左様に本作では、拉致されたJK3人の脱ぎっぷりが最大の見せ場といっても過言ではない。最近のアメリカTVドラマ辺りじゃ、このくらいは当たり前なのかもしれないが、普段接していない分、相当目の保養になった点は強調しておく。
そのほか、誘拐犯の多重人格者を演じるジェームズ・マカヴォイはんの(VFX込みの)怪演だったり、彼と、精神科医のおばあちゃんとの〈駆け引き〉ともいえるやり取りなど、見せ場は結構ある。決して眠気覚ましのためのJK脱衣シーン挿入とかではない。
広角レンズの被写界深度ギリギリに寄せてきた撮影は、もう怖すぎ。
そして、【公式】が盛大にうたっている、〈シャマラン史上、最も衝撃的なラスト!〉の解釈なんですけどね。「どこがMOST衝撃的やねん!」とかいうツッコミは入る、と思う。menehuneも半信半疑なんだけど、つまり、監督はこの結末を明確に描いてはくれないのだ、ということなんだろうと。
M.ナイト・シャマラン監督はこの衝撃のラストを「シックス・センス」「アンブレイカブル」「サイン」そして、「ヴィレッジ」位までは明確に観客に提示してくれていたんだと思う。だから皆「わあ!」ってなったんだと。
本作で多重人格者(?)が立ち振る舞う行いは、確信犯的なものなのかが争点であって、menehuneは、あいつは〈常人〉なんですよ、という理解をしている。
共通する幼児期の体験と、その傷跡。これが彼女が助かった理由な訳で、警官に対して拒絶の態度を示すカットはウルッときますね。
そういう意味では、前作「ヴィジット」とも全く異なる作風とも言えますね。
もう一回くらい観ないと、検証できない自分もいますが、今週末は注目作目白押しなので、あとは宇多丸はんにお任せかなと。