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menehuneの写真旅の記録。ヨコハマ、京都、北九州など、SONYの一眼レフデジカメα900、α99、そしてミラーレス一眼カメラα7で撮影した写真とインプレッションを紹介します。お気に入りの温泉、映画、グルメ、アニメのインプレもたまに更新します。


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箱根〈養生館はるのひかり〉に、〈おひとり様〉で泊まってみた。2017年9月。


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9月はじめの土曜日、箱根・〈養生館はるのひかり〉に〈おひとり様〉で泊まってみた。
写真はすべてSONY A-900とTAMRON A007の組み合わせ。


箱根湯本駅から旅館組合の100円バスで。普段は天山へ向かう路線だが、こんなところで下車するとは思いもしなかった。何かを知るということは新鮮な経験を与えてくれる。15時チェックインなので、湯本発14:45のバスを選択することになるのだが、同じ向きの乗客で乗り切れない場合があるので注意。

歩いてすぐのところに、ヤマザキデイリーストアがありますが、品数は限定的のため、酒類や食料はあらかじめ別のところで仕込んでおくのも手。

〈養生館はるのひかり〉は、こんなところにこんな場所があったのか、という印象。
進んでいくと、


茅葺屋根の趣がある、〈養生館はるのひかり〉の入口が見えてきます。

チェックインの説明はロビーのテーブルで宿泊客一組ごとに行うオペのようで、15時チェックインの客が3組いれば3組目はかなり待たされる。施設の構造やお風呂の男女入れ替え、食事の時間予約や制限事項、そして帰りのバスの案内と、必要な説明なのはわかるけど、長いのである。どうにかならないのかしら。


夜間のロビー。スタッフは無人となり、警備会社から警備員が派遣される仕組みです。

チェックインを済ませ、宿泊棟へ続く通路です。奥が宿泊棟。左は食堂への通路です。


宿泊棟の1階と2階を結ぶ階段。
〈養生館はるのひかり〉のウィークポイントといわれても仕方ない階段問題。
ELVはありません。


そこから奥に通路を進み、


日中女湯の浴場を左に見ながら3階へ続く階段です。


さらに4階へ続く階段。


最後にかつての大宴会場へ向かう階段。宴会場の入口にふさわしい重厚なつくりです。
この突き当りを右に折れると、実質5階にあたる一人部屋にたどり着きます。

構造上5階にあたる一人部屋です。広いです。一人では広すぎる感じです。
ものを書いたり、読書をしたり、静かに過ごすには良い環境だと思います。


ニーチェア〉ですね。実はmenehuneの自宅にもあります。MOMAに所蔵されたことで当時話題なった日本の工業デザイン史に残る名作。意匠について訴訟事件があったようですが、なんにせよ、その座り心地は折り紙つきでオススメです。


ベッド幅は計らなかったけど、120センチ程度だと思う。この部屋の広さなら140センチあってもいいと思うなあ。持ち込んだ酒類と水は冷蔵庫で保存。


廃業した旅館を改装してオープンした〈養生館 はるのひかり〉。ここ5階は大宴会場の跡を細かく仕切って3つの一人部屋を再構築しています。5階の廊下はベンチが残されています。3つの部屋を挟むようにして残る襖を開けると、施工されていない、手つかずの大宴会場の跡が2箇所残されていて興味深いです。増築の余地を残しているのか、この2つの空間をリニューアルして、5部屋とする可能性はあると思います。
ただ、隣室のTVの音が結構漏れてくるので、壁はそう厚くないようですね。


一人部屋の特長として、ベランダに出られる点があります。今回のような夏場は虫が出そうなので、長居は遠慮したが、季節によっては重宝するでしょう。
前述した〈ニーチェア〉は折り畳んで、持ち運びが出来るので、ベランダにもって出るのも手です。
ただ、正直言って、眺望はこのように大したことはありませんけども。


洗面には湯沸かし器と、ポット。


トイレはもちろん温水洗浄便座。画像には映っていませんが、スメルに敏感なヒトも考慮した、天井の大きな換気扇がオーヴァースペック気味に元気に作動する点は好感触です。
一般に、ホテルのユニットバスやトイレは動いてんのか判らない換気扇が多すぎますからね。


〈養生館はるのひかり〉の宿泊棟の1階には読書室もあります。


長く滞在すると、気分を変えたくなる場合もあるのだろうとは思うので、ぜいたくな場所の使い方ですね。


読書室には、セルフサービスのカウンターがあって、1杯100円でオーガニックティー(紅茶)や、カプセルで一杯づつ抽出するコーヒーを楽しむこともできます。


古い旅館の跡はあちこちで見かけます。年代ものの消火栓。奥に続く階段から、5階まで上り下りするちょっとした辛さは理解していただけるでしょう。


階段踊り場の窓に映る影絵のような植物のつるがいい感じです。

1階にある浴場は、12:20から24:00までは男湯。それ以降、朝9:00までが女湯となります。
夏場は窓を外して半露天にしているので、虫除けスプレー(希釈したハッカ油)が常備されています。左が高温、右がぬるめの湯なのですが、ぬるめのほうは入った気がません。この点については後半追って書きますね。


夕食の時間はチェックインした順で決められるようで、私が15時過ぎにしばらく先客対応で待たされたのち案内された時点で、18時の回枠は一杯で、18:20の回にあてがわれてしまいました。
ロビー棟と宿泊棟から伸びる食事棟でいただきます。スタッフは練度が足りなく、マスターと思しき人物が指示を出しています。言葉に棘があるわけじゃないけれど、カウンターで食していると、いちいち耳に入ってきて不快に感じる人もいるでしょう。


〈養生館はるのひかり〉夕食の献立はいたってシンプル。地元の無農薬栽培で育てた野菜中心。このもてなしがここのコンセプトなので、いやならチョイスするな、ということになるでしょう。薄味。日頃の負担から胃腸をも労わる「養生」仕様だから仕方ないですよね。

 


微発芽玄米のお供として宿が提供するのが、自家製の旨辛味噌とごま塩。
野菜はおかずにはならないので妙案だと思います。
「養生」しに来た意味が薄れますが、宿の隣は居酒屋なので、仕切りなおすという考えもアリかも知れません。いや、無いか。


食事処ではアルコール類は比較的多く提供されています。
しかしこちとら一人旅ですので、部屋飲みと相成るわけですが、4階に水屋(パントリー)が用意されています。もともとは大宴会場のためのものだったのでしょう。
ここにはグラスやアイスペール、栓抜き、ワインオープナー(コルク抜き)などが用意されているので、宿泊客が自由に部屋まで持ち帰って、持参したアルコール類を楽しめます。画像上にある布巾は、部屋に装備されているハンドタオルを再利用しているようですが、柔軟剤の匂いがきついため、タオルの予備というより、布巾、雑巾と割り切るべきでしょう。
因みに、浴衣、バスタオル、ハンドタオルは各部屋に一式用意されていますが、追加は有料(100円)となります。
夏場はただでさえ汗をかくし、湯上り後、1階の浴場から5階まで階段を上がるだけで余計な汗をかくので、タオルの予備は持参することをお勧めします。


各個室とも、有線、無線LAN完備。接続や速度も問題ありません。ただしセキュリティ上のトラブルは自己責任となります。

9月の初旬で、もともと関東の今年の夏は冷夏だったので、エアコンを頼らず、網戸付きのベランダへ通じるサッシを開けておけば風は入ります。ひとり晩夏の夜をのんびり過ごしました。

明けて翌日。窓は北向きなので、朝日は差し込みません。


それでも晴れれば気分はよし。


窓上部には鴨居があるので、こういう使い方をオススメ。部屋入口、トイレ横のクローゼットやタオルかけは物干しには適さないし、風が通りませんから。

〈養生館はるのひかり〉の朝食は8:30の回と9:00の回をチェックインの際に選びます。
仕様なので仕方ないけど、7時半と8時の設定があればいいと思います。
というわけで、朝食前に朝風呂です。前日日中は女湯だった、今回の滞在の目当てでもあった2階の浴場。総モルタル仕上げ。


デザインはいいよね。




今回の滞在、チェックインの際、「本日のお客様は、女性が二十数名、男性が六名です」とスタッフから言われました。「それは必要な情報なのでしょうか?」と思っていたのですが、この洗い場を見て、その言葉を思い出しました。
1階の浴場より広いのはいいとして、洗い場が3箇所しかないここで、大人数の女性客を捌けるのでしょうか。ダウンライトは4燈あるのにね。1階の浴場には4つのカランと4燈のライトが揃っていたので、少し不思議です。


この浴場も、宿の説明によると、左から高温、中温、右がぬるめの湯なのだそうですが、左の湯船以外は使い物にならなかったです。朝6時台で外気が冷えたせいもあるのでしょうが、ぬるめの右の湯船はもはや水風呂に近い感触。真ん中のそれも入った気がしません。
かけ流しで再加温をしていない証左と言えなくもないですが、初日の浴場と併せ、湯温の管理は今後の課題でしょう。

明けて日曜日、実は慌しく帰宅する必要があったため、分刻みの行動になりました。
8:30~朝食、チェックアウトの会計開始時間が9:00~、そして湯本へ戻る箱根登山バスの時刻が9:11なのです。これを逃すと次は9:40。待っている間に、湯本駅まで歩いて到着してしまいます。
何とも、我ながらあわただしく、みすぼらしい湯治なのです。

〈養生館はるのひかり〉は、朝食も質素。鯵の開きと温泉玉子がつく分、動物性タンパクを摂取できる喜び(大袈裟)。
ただ、これも宿側の押し付けなのだけれど、ひとり宿泊者(おひとり様)は原則北側を向いたカウンター席に案内されます。というか、前日の夕食終了時に、「明日の朝食も同じカウンター席にお座りください」と案内されるのです。彼らなりの理由はあるのでしょうが、ちょっと不自由ですよね。
夕食はそれでも良かったのですが、朝食時は朝日の差し込む南側の席に座りたいのが人情ではないかなと思うのです。実際、朝を迎えると、昨晩の夕食時には気づかなかったこういう不自由を感じることになります。
朝日の差し込むテーブル席は複数名の宿泊客にあてがわれるため、おひとり様はこうなります。
薄暗いカウンターでの朝食メニューは、色かぶりを補正したのでまだましですが、上の画像のように、「どこの居酒屋だよ」って色味になってしまいます。
こういうときは、陽光溢れる気楽なホテルのブッフェはいいなと感じますね。

改修時に増築されたと思われるこの食事棟は調理場が東側に設計されているのが残念な点です。
西側だったら、正眼寺の墓地を考慮したとしても、朝日が差し込む朝食場を提供できた可能性があったのですが、そうなると、調理場裏の搬入口と、宿泊客の導線が被るので難しい問題でしょう。

こうやって「鯵の開き」という、旅館の朝食の定番で、若干食べるのが手間なおかずに取り組んでいると、あっという間に9時になり、慌てて部屋に引き返し、爆撃して、荷物まとめて、チェックアウト、という。
〈養生館はるのひかり〉は「湯治」をうたってはいるが、心身そして時間にゆとりがあるヒトでないと、その醍醐味を満喫できない、ヒトを選ぶ宿といえるでしょう。
足腰にハンデを感じる方は、階段の昇降と、部屋割りの相談を事前に宿にすることをお勧めします。
先に書いたとおり、土曜日で満室でも30名程度の宿泊客ですので、施設自体は静かなものです。
おひとり様を邪険にしない受け入れ態勢も魅力的だと思います。

公式サイトの〈よくあるご質問〉を予め熟読していれば問題ないですが、1泊のみの精算は現金のみとなります。チェックインの際に案内されるので注意です。
おひとり様、あの部屋と食事で14,800円+税+入湯税150円なら高くは無いですが、温泉の湯温については管理体制を見直す必要がありますね。
客室や浴場からの眺望にも特長があるわけではないので、その質を高めるべきでしょうし、朝食の提供時間も検討すべきでしょう。


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