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映画『シェイプ・オブ・ウォーター』(原題:The Shape of Water)を観た。


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映画『シェイプ・オブ・ウォーター』(原題:The Shape of Water)を観た。

それなりのネタバレを含むので、アカデミー賞作品賞を受賞したいま、これから観にいく方は要注意。




京都アニメーションはんで劇場アニメ映画化され、2016年9月に公開された、大今良時(おおいま よしとき)はん原作のコミック『聲の形』(こえのかたち)であるが、コミックの英訳版のタイトルが、『A Silent Voice』となっていて、じゃあ、北米版のアニメタイトルはどうかというと、『 A Silent Voice The Movie』となっているわけ。

となると、『The Shape of Voice』と英訳したのは、京アニ山田尚子はん監督作の劇場版だけなんだよね。

なんで今更、こんなことを抜かしているのかというと、そう、ギレルモ・デル・トロ監督の『The Shape of Water』を観てきたから。

というか、ギレルモ・デル・トロ監督は、日本のアニメ映画『聲の形』を観たのかどうか、わたし、気になります!なのである。

主人公が聾唖という障害を抱えている、という設定込みで(イライザは言葉は発せないが、音は認識できる設定)。

人種差別などの小難しいアカデミックな話題は、町山はんや宇多丸はんにお任せするとして、本作の何が素晴らしいって、その「ヲタク」感に尽きるのではないかと。

1960年代のアメ車のかっこよさ(フォードのワゴン込み)でまずやられるし、主人公・イライザの出自が不明な点と、首に引っかき傷があるのは何故?ってあたりから物語は進んでいく。
同じFOXから公開された『スリー・ビルボード』が、結構難解なのに対して、本作、『シェイプ・オブ・ウォーター』のストーリーは非常にわかり易い。だから、124分の上映時間を気にすることもない。
レイティングはR15+なので、高校生なら一応OKだけど、露骨にあんなことやこんなことが描写されるので、親子で観にいくことはお勧めできない。
しかし、熟女好きの御仁であるなら、結構楽しめると思う。
それくらい、サリー・ホーキンスはんの体当たり演技に注目して欲しい。
にしても、アラフォーの女子って、みんなああのか、と問われても、自慰の頻度に関して、さすがに周りの女性陣には訊けないわな。

設定や美術が結構ザルな描き方をされてはいる(あんな防水処理で水槽は造れない)けど、それ込みで、「こちら側」の人間に嫌なキャラクターは存在せず、こちら側の登場人物に感情移入して観ることができる。これはB級SFホラーとして大事な要素。

イライザと異形の者が結ばれたアパートメントの漏水事件のその後、出勤途中、バス車中から彼女がなぞる窓越しのレインドロップスの形に注目すると、それが何に見えてくるのか。
そう、射精からの細胞分裂ですよね。

主人公のカチューシャの色味の変化とか、かつてカップルだったのだろう。ゲイの絵描きと元上司の関係、アマゾンで「神」として崇められてきたという異形の者の能力など、繰り返しになるがとても理解しやすく、スッと入ってくる。退屈しない。
ただし、これが本作と過去作との異なるストーリー展開なのだけれど、異形の存在を逃がす物語というのは、逃がしてそれでお仕舞、というのが殆どだったわけです。『E.T.』然り。
主人公はその行為によって成長し、悲しみを乗り越え、現実社会で生きていく。
それがハッピーエンドなわけ。
逃がすわけじゃないけど、お別れエンディングということなら、『銀河鉄道999』なんかもこの系譜かな。

でも、本作は違った。どう違ったのかは、劇場で観てもらうしかありません。
〈four letter word〉を主人公が警備主任に手話で示した後、物語はクライマックスを迎える。
果たして、「こちら側」のキャラクターは、無事、異形の者を逃がすことができるのか。
絶体絶命。。。

最初、主人公の片側だけのナニを見せておいて、ラストで、もう片方のそれを見せて、それがサゲげって、斬新だよねえ。
その結果がどうなったか。これは過去にもあったけど、『未知との遭遇』だよねえ。
同類だから、あの程度の愛撫で水槽造っちゃいました、ってあたりとは、似ているようで似ている。過去に何度も誘拐されてるんだから、そっちの道を選ぶでしょ的な。

観賞すると、フライヤーなんかで使われている、異形の者と主人公が水中で抱擁するイラストが既にネタバレであることに気づきます。主人公の靴が片足脱げてるあたりもヒント。

こんなにエッチでファンタジーな作品がアカデミーか。
むしろ、そのこと自体が新鮮なので、観賞をオススメします。


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