箱根の強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉の日帰り温泉を利用したのでご紹介します。書店で平積みされているムックに、知られたくない秘湯みたいな紹介がされていたので、ググって、行ってみました。強羅駅の賑わっている側から、地下の連絡通路でケーブルカーの「向こう側」に行けることを知りませんでした。朽ち桜の寂しいダラダラ坂をしばらく歩くと、太陽山荘の施設群が現れます。では、〈箱根太陽山荘〉の印象をまとめておきます。
- 箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉とは?
- 箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉の本館で日帰り温泉の受付を行います
- 箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉の温泉棟・木風呂はこんな感じです
- 箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉の温泉棟・岩風呂はこんな感じです
- 箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉で日帰り温泉、まとめ
箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉とは?
箱根登山鉄道の終点・強羅駅から地下通路をくぐった先を左折し、なだらかな坂を3分ほど登った先に箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉はあります。国民宿舎とは、公園や温泉などの保養地に設けられた宿泊施設のことで、国民の誰もが割安価格で利用できます。太陽山荘の本館と別館は1942年(昭和17年)に建てられた旅館建築の風情を今に残す木造建築で、2007年に国の登録有形文化財に指定されています。
箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉の本館で日帰り温泉の受付を行います
日帰り温泉を利用するにはまず〈箱根太陽山荘〉本館で受付を済ませます。帳場で日帰り入浴料1,100円を前払いで支払います。フェイスタオル1枚が付いてきます(要返却)。貴重品は鍵の付いたロッカーに預け下駄箱に下足をしまい、突っ掛けに履き替えて、温泉棟に向かいます。
宿泊客用と共同運用(客室に風呂はない)なので、宿泊客用に供される時間をよけた時間が日帰り客宛ての提供時間となります。よって、日帰り風呂の営業は11時から15時ごろまで。原則入浴時間は1時間縛りですが、打刻レシートを渡されるわけでもなく、口頭でその旨通知もされませんでした。入浴後は本館に戻り、本館食堂などが休憩処として開放されています。不定休ですがカフェも併設されていてのんびりできます。本館の帳場にはドリンクの自動販売機もありますよ。でも寝転がれるような座敷はありません。ただし有料で客室をレンタルできます。さらにありがたいことに館内はWi-Fiが受かります。
箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉の温泉棟・木風呂はこんな感じです
総檜造りの温泉棟は、向かって左が「木風呂」と、右が「岩風呂」と、雰囲気の異なる二つの浴室があり、日替わりで男女湯が入れ代わります。二日続けて入湯すれば、それぞれのお風呂を楽しめることになりますね。
木風呂です。この日はたまたま独り占め。ラッキーです。太陽山荘の湯は、大涌谷を源泉とする掛け流しの湯です。また加温や加水をしていません。さほどきつくはないものの硫黄臭漂う白濁湯ハヌルっと肌にまとわりつく感じでとても気持ちがいいです。
箱根太陽山荘の温泉棟は2007年竣工。伝統とモダンが融合した内装も好印象です。
少しだけくたびれた感じがいい感じです。わずかに濁ったお湯は身体にまとわりつき、硫黄臭はさほどきつくありません。手の甲と掌の古い皮膚が剥がれて浮き上がっていくようです。実際角質や溜まった垢がごっそり落ちるような印象です。
箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉の温泉棟・岩風呂はこんな感じです
翌日は岩風呂も試してみました。源泉は同じですが、光の当たり具合で岩風呂の湯は少し緑がかって見えます。意匠は木風呂からさらにダイナミックなものとなっており、擬似露天の雰囲気を感じることができます。
浴室に入ってすぐ(岩に蛇口が付いている)のところに寝湯があるので、長居している客と目が合うのが難点でですが、天窓から射す日差しを受けながら湯に浸かり、非常にまったりできます。こっちの湯の方が長居する客が多そうですね。壁面は石の様に見えますが、すべて木材を加工したものです。
〈箱根太陽山荘〉温泉棟の二つの湯とも洗い場は4脚ありますが、浴槽もそれ以上同時に入ると窮屈さを感じるくらいの広さだと思ってください。お湯の質はすごくよいので、できることなら同時入湯は1-2名でのんびりしたいのが人情です。これ以上知られたくないけど、冒頭書いたとおりムックで紹介されるくらいだから実際は、特に週末は難しいかもしれません。
〈箱根太陽山荘〉温泉棟の脱衣所も綺麗に整頓されていますが、アメニティの類は一切ありません。ドライヤーは2つ。貴重品など身の回りの品は本館のロッカーに預けます。施設には温水洗浄便座付きのトイレを備えています。受付の際レンタルされたタオルも本館の返却籠に戻します。脱衣所には箱根の温浴施設にありがちな、様々な禁止事項が書かれた日英韓中語のポスターの類は一切貼られていません。それだけ常識をわきまえたヒトだけに開放していますよ、という明確な意思を感じますね。ですからゲストも団体で押しかけない、込み具合を考慮するなど、マナーが求められます。
箱根・強羅温泉、箱根太陽山荘の公式サイトはこちらです。
箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉で日帰り温泉、まとめ
箱根強羅温泉〈箱根太陽山荘〉は箱根登山鉄道の終着駅・強羅駅まで赴く価値のある、濁り湯を堪能できる温浴施設として強くお勧めできます。一点残念なのは浴室に水風呂がない点ですが、冷水シャワーで我慢しましょう。湯上りに纏う硫黄臭が気になる方もいらっしゃるかも入れませんが、周りから引かれるようなものではありませんのでご安心ください。公共の交通機関を利用すると結構な交通費がかかるのは難点ですが、それだけゲストを選ぶ条件として機能しているともいえるでしょう。許されることなら平日にに訪れのんびりしたい湯治場ですね。日帰り温泉は不定休ですので事前に電話で必ず確認をしてから出かけましょう。
【追記】
2021年7月の大雨で大涌谷で土砂崩れが発生し、源泉の供給施設が倒壊したため、〈箱根太陽山荘〉を含む50件ほどの強羅温泉各施設の温泉供給がストップしていましたが、9月末には供給が再開され、〈箱根太陽山荘〉の日帰り温泉も営業を再開しています。
箱根強羅温泉・国民宿舎〈箱根太陽山荘〉
日帰り入浴時間 11:00~15:00頃まで 不定休
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-375
電話 0460-82-3388
あと、強羅周辺は観光地なので食事処はあっても観光地価格だったりします。そんなときmenehuneは小田原まで戻って食事をすることにしています。この日は小田原駅前の〈魚がし〉で刺身定食1,300円とアジフライを単品900円でいただきました。ここは何を食べても美味いです。値段も標準的。大ぶりの鯵は4枚(二尾分)で食べ応え抜群。下手な早川漁港の観光客向けの店よりもいい仕事をしてると思います。マグロの赤身も身が締まっており、水っぽさは微塵も感じられません。おすすめです。