menehune旅写真プラス

menehuneの写真旅の記録。お気に入りの映画、書籍とアニメのインプレ、ライフハックもたまに更新。


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【追記あり】DTP業界で話題の解像度問題。マルエスに続き、今度は[金麦]でキムタクが!? さらに、JR SKISKIまで!?


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一部で話題のデザインのいか天大王

もう数年前から、世間の一部で話題となっている件について、menehuneも気になっていたので調べてみました。

 

wedge.ismedia.jp
上で例に挙げたサイトでは、以下のように指摘しています。

 

 

  もう一つ、致命的なミスが話題になった商品を紹介したい。マルエスが販売する「いか天大王」だ。
デザイン関係の人が見たら思わず三度見くらいしてしまうパッケージのおつまみを見つけました。 素材にも仕上げにもこだわったのになぜ解像度にこだわらなかったのだ…… https://twitter.com/oshiroi_you/status/561421885607391233
 パッケージの一番大きなキャッチコピーの文字が、ボヤけてしまって不明瞭になっている。このツイッターユーザーが言うとおり、商品パッケージやDTPなどに関わるデザイナーだったら見た瞬間に胃がきゅっとすくみそうだ。ツイッターでは「酷い。なぜベクトルじゃなく画像にしたんや」「eps埋め込み忘れ?とか、借り置き素材?とか、色々と考えちゃいます」などと、ミスの原因を検証するユーザーもいた。本当になぜこのミスが気づかれず、店頭に並んでしまったのか不思議でならない。現代においてここまで粗が目立つパッケージは逆に珍しく、「むしろ目を引くという意味でつくったんですかね 笑 私今度買うかもしれません」という声も上がった。
 ミスは致命的であればあるほど、ネット上では話題になりやすい。企業としてミスは痛手だが、ポジティブにとらえれば知名度が上がるという好結果になったのではないだろうか。DMMもマルエスも、再度ミスが起きないための原因究明は必要だが、ミスを犯した担当者のことをあまり責めないでほしいと思った。

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本当にそうなのだろうか? というか、肝心なことに言及していないよね、とmenehuneは思ったの。他のサイトを参照してみても同様の論調が多いのだけど。

ということで、私が知りたいこと、何故このような事態となったのか、メーカのマルエスに訊いてみた。
回答の要旨は以下の通り。

あれはマルエスが委託しているデザイン会社からの提案をそのまま具体化した結果で、DTP上のトラブルではありません。
いただいた意見は今後の検討材料とします。

 

驚愕の結果と言うべきか、開き直られたというか、あれは最初から「ああいうデザイン」だったということなのです。差し替えたほうが、というmenehuneの意見はテーブルには乗せますよ、と。

証左として、最近の同社のウェブサイトを見る限り、「素材にも仕上げにもこだわりました」というコピーは使ってはいるものの、フォントはベクトルデータを素直に使用しているように見えます。おそらく近いうちにヘッドコピーのデータは差し替えられるものと予想しますが、奇を衒いすぎた感は否めませんね、やっぱり。

もっとも、製品自体に瑕疵があるわけではないので、一部の真面目なデザイナー界隈の反応が、飛び火しただけということなのでしょう。

マルエスさんはラジオスポットに昔から力を入れている企業さんで、ラジオ好きのmenehuneにとっても親和性が高い。次はラジオスポットの出来で、世の中の話題を創造してもらいたいものです。

www.maruesu-web.co.jp

マルエスさんのラジオスポット一覧はこちらで聴くことができます。

【3月16日追記】

デザイン差し替え後のいか天大王
今日、新幹線の売店で見かけた〈いか天大王〉は、ヘッドコピー「素材にも仕上げにもこだわりました」のデザイン処理が変更されたものでした。





こんなマルエスさんの事例を書いて外出したら、京浜東北線の中刷り広告で信じられないものを目にしてしまった。最初誰だか分らなかったが、木村拓哉さんですね。iPhoneXで撮影したのち、公式サイトを覗いて確信しました。以下が車内で撮影した中刷り広告です。カラーなので175線(350dpi)かと思われます。
リアルタイム検索では、キムタクの起用について指摘するつぶやきが多いですね。
しかし。。。マルエスさん同様のことがここでも起きています。

解像度の粗い金麦の電車内ポスター


www.suntory.co.jp
正直言って、この公式サイト、ヘッダのキムタク画像からしてすでに「粗い」んです。
現場でスチール撮影は行わなかったのでしょうか。

中刷り広告に話を戻すと、少しかじった方ならこれが、「動画から切り出された」素材であることがわかるでしょう。臆面もなくモアレが生じていますし、よくこれで木村さんの側からOKが出たものだと思いましたが、一昔前とはお立ちの環境も変わられて、細かいことは気にされなくなったのでしょうか。破顔された表情も珍しいと思います。

PCディスプレイではきれいに見える写真や画像も、フライヤーなどの印刷物に使ったら仕上がりが粗い、というケースがDTP業界ではたまにあります。
これは、使用している画像(デジタルデータ)の解像度が足りないからです。

さらに、動画のデータは一旦「動画用に圧縮されている」ので、そこから切り出した画像は、初めから静止画で撮ったものに比べると画質は落ちますし、そもそもこのポスターに使われている画像の解像度がどの程度だったのか不明ではありますが、さほど多くはなさそうです。

動画の切り出しだしで流用できる、と高をくくっていたのかもしれませんが、サントリーさんのことですし、クリエイティブに抜かりはないと思いますし、スチールカメラ(とデータ)に何かトラブルがあったのか、フォトショの【再サンプル】チェックを外す確認工程を忘れたのか。

まさかマルエスさんのように、「これが狙ったデザインです」とはおっしゃるまい。
というわけで、サントリーさんにも訊いてみた。回答の要旨は、当該部署と共有し今後の参考とさせていただきます、という定型句でした。


JR SKISKI 2019-2020ポスター

2019年暮れから目にするようになった、JR東日本の駅張りポスターや車内の中吊り広告で違和感を持たれた方も多いのではないでしょうか。確かにポスターのように比較的遠目から目にする掲出媒体ならこの程度の解像度でも構わないのかもしれませんが、中吊り広告にはそぐわないと思うのはmenehuneだけではないでしょう。
興味深いことに、公式ウェブサイトを拝見すると、何となく腑に落ちます。

jr-skiski.com
ポスターなどのギャラリーページを見るとわかりやすいです。

jr-skiski.com
72ppiのPCモニター環境で見ると、(相変わらず粗いですが)それなりに見ることができるからです。疑問に感じるのは、やはりウェブ用の素材を印刷に回す際に画像データの解像度チェックを怠ったのでは? という点です。だって、あの粗さを、「演出的な何か」と捉えることって、相当無理があると思いませんか。確か昨年は『私をスキーに連れてって』周年記念のイラストヴァージョンでしたし、それ以前の同企画のポスターを見返してみても、パキッとモデルの顔を見せる方向ですからね。舵を切るにも、あの粗さは不自然すぎるのです。サントリーの例もあるので、どこかでチェック機能は働かなかったのか、不思議ですね。




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