先日、ある品物を梱包して発送するとき、とても勉強になる体験をしましたのでご紹介しますね。皆さんは「折径(おりけい)」という言葉をご存じですか?初めて聞く言葉です。円形のものを折りたたんだ際の幅のことなのですが、menehuneはこの概念を全く理解していませんでした。輪ゴムのスペックでよく用いられるようで、一度この「折径」という単語を知ると、検索精度が格段に上がります。
不要になった品物を処分するとき、いろいろな方法がありますが、メルカリやヤフオクなどに出品して小銭を稼ぐという方法があります。先日menehuneは要らなくなった数年前のカレンダー数点をオークションに出品しました。
現在、カレンダーとして使えない昔のカレンダーに何の意味があるのだろう?とお思いの方もいるかもしれません。でも、タレントやアニメのカレンダーにはプレミアが付くこともあるんです。猛者ともなると、のちの高騰を見越して新品未使用のまま保管するヒトもいるとか。そんなこんなで出品したカレンダーですが、幸い出品したカレンダーに入札がありました。このとき、まだ梱包材を用意していませんでした。カレンダーを発送するためにはカレンダーを包む防水用のビニールと発送するためのダンボールが必要です。ダンボールと一言で言っても、円筒状のもの、四角や三角のもの、組み立て式のものなど種類は豊富です。
今回menehuneはA1、B2、A2サイズに対応した組み立て式のダンボールを選びました。内寸は87×87ミリです。今回発送するカレンダーは表紙プラス2ヶ月ごとのカレンダーが6枚。都合7枚綴りのA2サイズです。破損を恐れ、あまりぎゅうぎゅうに巻きたくなかったので余裕のあるサイズのダンボールを選んだわけです。
一見とっつきにくそうですが、組み立ては非常に簡単です。
それから、カレンダーを覆うビニールですが、名称を「ポリチューブ」といいます。年末に得意先の営業マンが持ってきてくれる来年のカレンダーをラップしてあるビニールの筒状のあれです。銀行の店頭にあったりしますね。このポリチューブにカレンダーを差し込んで、両端を巻き込めば発送の下準備が完了です。ネットで探してみると、幅80ミリのポリチューブがありました。ダンボール内寸とのマージンを考慮しても適当なサイズだろうと思い、入手したのです。しかし、どうもおかしい。ポリチューブにカレンダーをつめこもうとしても、一向に入りません。カレンダーを傷める恐れがあるため。あまりしたくなかったカレンダーの細巻きを行うしかありません。
こうしてようやく包んだカレンダーをダンボールにセットしてみると、スカスカです。上からさらに緩衝材を巻いて隙間を埋めました。実際に巻いたカレンダーの直径=ポリチューブの直径は50ミリ程度です。どういうことでしょうか。なぜ80ミリではないのでしょう?こういうのって、気付けるヒトもいるんでしょうね。理系脳といいますか、うらやましいです。
上の方の画像、ポリチューブの画像に品物の仕様が記載されているのがお解りでしょうか。「カレンダーPEチューブ 0.03×80×700」とあります。普通にこれを読み解くと、薄さ0.03ミリ、直径80ミリ、長さ700ミリのチューブだな、となるのではないでしょうか。しかし否。ここでいう幅80ミリとは「折径(おりけい)」のことを指しているのです。最初menehuneは、幅80ミリと書いてあるのだから、円の状態の「直径」が80ミリと思いこんでいたのです。それ故に、それに合わせて、梱包用の段ボールも内寸幅87ミリのものを手配したわけです。
menehuneがポリチューブの入手を検討したネットショップには記述がなかったのですが、もう少し専門的なショップを覗いてみると、答えがありました。
梱包時のチューブの直径X=カタログ値80ミリ÷円周率(3.14)×2で割り出せます。
Xの値は約51ミリ。51φ(ファイをあてます)となります。
ダンボールの内寸87ミリに合わせてポリチューブを選ぶならば、87ミリ×3.14÷2となり、およそ137ミリの折径がカタログ上の記載となるので、例えば「0.03×130×700」といった品物を選ぶべきだった、となるわけです。
手元にコピー用紙があれば簡単な実験ができます。A4コピー用紙の短辺は210ミリですよね。これを二つに折ると折った個所の幅は105ミリになります。ここが間違える元です。ではこの短辺で円柱を作ってみましょう。するとどうでしょう。出来上がった円柱の直径は105ミリどころか、かなり小さくなってしまうことが分かります。上の計算式に当てはめると、105÷3.14×2=66.9ミリ となります。
滅多にないとは思いますが、ポリチューブの仕様を調べるときには折径に着目することで、梱包作業が楽で効率の良いものになるはずです。