menehune旅写真プラス

menehuneの写真旅の記録。ヨコハマ、京都、北九州など、SONYの一眼レフデジカメα900、α99、そしてミラーレス一眼カメラα7で撮影した写真とインプレッションを紹介します。お気に入りの温泉、映画、グルメ、アニメのインプレもたまに更新します。


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映画『空の青さを知る人よ』を観た。


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映画『空の青さを知る人よ』イメージ

(C) 2019 SORAAO PROJECT

映画『空の青さを知る人よ』を観た。

井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」。前段の件は荘子が記した『秋水篇』です。
後段の部分は後年、日本人の学者が付け足したようですね。
少し読み進めると、この作品自体のモチーフになっているような気もします。
狭い世界で生きているからこそ見えてくるものがある。しかもそれを高校の卒業のアルバムに書いてしまえるほど、主人公の姉、眼鏡キャラの〈相生あかね〉はある種の達観をせざるを得ない境遇に置かれています。
そんな〈あかね〉を心根では慕いつつ、秩父にとどまる姉を疎み、上京してバンドで一旗揚げようと息巻くのが本作のヒロイン〈相生あおい〉です。

 

この姉〈あかね〉のイメージで思い出すのは、田中将賀(たなか まさよし)はんがキャラデザを担当したアニメあの夏で待ってるの貴月イチカでしょうか。監督は長井龍雪(ながい たつゆき)はんだしね。ただ、本作のこの姉、スレンダーすぎて、あまり魅力的に映りません。特に現在の彼女は。

ところで、本作のようなバックボーンがどこまで観客に響くかは疑問、と言わざるを得ません。すくなくとも、10代の若年層に響くのかなあ。ゴダイゴの使い方も、これ博打でしょ。
13年前に18歳だった姉〈あかね〉と、かつての恋人もどき〈金室慎之介〉は現在31歳。13年前といえば2006年です。携帯電話はあったでしょうか。
これも、アラフォーやアラフィフの中年男子や女子に響くかというと、これもちと厳しいのかなと思うのです。ゴダイゴ引っ張ってくればいいってもんじゃない。
劇中の現実感にプラスしたスーパーナチュラルは相性よくないと思うんですよね。

台風明けの10月15日、観てきました。配給会社が前作2作(『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』)のアニプレックスから、今作『空の青さを知る人よ』では東宝が配給を担うこととなり、公開規模が従来の10倍近い300館体制となりました(本作だけ句点止めでない)。しかし、間が悪いことに、令和元年台風19号の接近に伴い、公開日の10月11日からの3連休の客足は休館もあり振るわず、ネットの座席予約を見る限り、苦戦しているようです。そもそも、東宝と「超平和バスターズ」とのマッチングを疑問視する声も聞かれます。もっと言ってしまうと、この「超平和バスターズ」という単語に違和感を感じる方も多かろうというのが、menehuneの見立てで、ただの区切りでしかないとは言え、令和に入り、ろくなことしか起きていないんじゃないかと思える昨今、何を呑気なことを言ってんだ、という意識を持たれてしまうリスクがあるような気がしてなりません。
東宝のアニメーション新機軸の発掘プロジェクトはあまりにも露骨で、そのくせ空振りばかりが続いているようにも見えます。昨年の今頃は、本作同様、フジテレビジョンが絡んだ石田祐康監督作品、『ペンギンハイウェイ』が気を吐いたとはいえ、成果が出ているとはいいがたい。もちろん当事者なりの効果測定は行っているだろうから、外野がどうこう言うことでもないけれど、1,900円も払って、微妙なものを見せられる身にもなってくださいよ。

『空の青さを知る人よ』

(C) 2019 SORAAO PROJECT


さて本作、長井龍雪(ながい たつゆき)監督作品の『空の青さを知る人よ』だが、鑑賞の直前に『荒ぶる季節の乙女どもよ。』のアニメーションと原作最終巻を観てしまったせいもあるのだろうか。菅原氏の「勃ってたくせに」という衝撃的な台詞込みで、岡田麿里はんの毒全開だったこともあり、どうしても比較してしまう。『空の青さを知る人よ』は、ちょっと優しい世界というか、極論すれば、結局劇中何も事件らしい事件は起こらないわけで、題材が弱いかなあという印象。
全般、物語が浅いです。現代に突然現れる〈31歳・金室慎之介〉=〈18歳・しんの〉と、〈しんの〉が持つスーパーナチュラル的な能力に乗ることができればそれは幸せなヒト。〈あおい〉の姉である〈あかね〉の取ってきた行動に素直に感動できるかが鑑賞のキモですかね。menehuneはあのノートのあたりで、ドン引きしてしまったので、ここでも乗りそびれました。もう一つの要素、ヒロイン〈あおい〉の”2度目の初恋”と”2度目の失恋”に感化できるかどうかでしょうか。

120分に近づけんがための、映像自体も尺の引き延ばしみたいな無駄なインサートカットが多かった気がします。ハッとするようなカメラワークやエフェクト、演出もなかったよう気がします。
それと、「超平和・・・」の舞台、「秩父」って地方都市に、私自身、あまり魅力を感じないせいもありますね。

役者は吉沢 亮はんは良かったけれど、ヒロインの姉妹役の役者はんは2人ともイマイチな印象。あいみょんの日本語歌詞をBGMにして、セリフのやりとりをされると、非情に聞き取りづらい。そのあいみょんの曲の使い方も上手くない印象。台詞とかぶせるもんだから歌詞が入ってこないし、どっちつかずなんですよ。曲の歌詞に集中しようとすると、台詞が入ってこない。途中で台詞が入るもんだから曲の歌詞を追えないってね。
正直言って、そこまでたどり着く前に、展開に飽きてしまったこともあります。

だからでしょうか。menehuneなんかは、ヒロインの〈あおい〉のパンツが見えるのか見えないのか、そこばっか気になってしまって、作中それを目撃していたであろう〈みちんこ〉の息子〈ツグ〉のセリフに、全くもってけしからん的な嫉妬心を燃やしていましたけどね。スタッフもそのあたりは狙っていて、奥が覗けそうな短い制服やキュロットを〈あおい〉に履かせています。白眉はジャージ姿で練習する際の〈あおい〉のヒップラインが魅力的に描かれているあたりでしょうか。なんだかドン引きされそうな書き方になってしまいました。何も隠さずに心情を吐露しましたが、ほぼ100%、作品を見た男どもは同じことを思っていたはずと断言させていただきます。
それにしても、〈あおい〉と〈ツグ〉のバディ感は、本作中、よくできた部類だと思います(ここでは男女を超えた相棒の意)。

確かに、田中賀将はんのキャラデザは魅力的だし、ほぼそのキャラデザ通り絵が動いてくれるのでスタッフはいい仕事をされたと思います。でもヒロイン〈あおい〉のティーザー的要素としてと、「ジト目」をフィーチャーし過ぎたおかげで、後半、彼女の顔に変化が生じてくる、特に瞳が大きく見開かれたような表情を見ると彼女の魅力が大きくスポイルされる印象持ちました。姉の〈あかね〉がぱっちりお目目でアピールしているのとは真逆ですね。

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(C)2019 SORAAO PROJECT /(C)KADOKAWA CORPORATION 2019

最新の『Newtype』の表紙ですが、どうもこれじゃない感が。キャラ、全く別物ですよね。〈あおい〉のキャラクターとして、この変化は見るものに相当の違和感を感じさせるはずです。


結局、事前に見せられた予告で、その予告も『天気の子』とかで流されていたはずなので、露出機会は多かったはずです。ただ、あの空飛ぶシーンがどう受け止められたのか。現実とファンタージーの匙加減は難しいなと感じた作品でした。最初、あまりにも印象がよくなかったので、自身が老けただけかなと思ってもう一度観ようとして、どうしようか思案しています。本作鑑賞のほかにもやりたいこと、やらなければならないことはあります。それらを差し置いてでももう一度観たい、という気にさせたのが、やはり『君の名は。』であり、『天気の子』なのでね。道はまだ遠いでしょう。
振り返れば、menehuneにとって、「超平和バスターズ」の作品群は、どれもあまり響かないものでした。ただそれだけかもしれません。



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