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【追記あり】映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観た【ネタバレ】。


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©khara, inc.
2021年3月9日、朝9時の回。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観ました。若干のネタバレあります。

f:id:sepyas:20210309164851j:plain結論から言うと、面白かったです。前作『Q』から9年経ってるんでしたっけ。声優さんの演技には正直老いを感じましたが、それは鑑賞に特段の影響を与えません。
実際劇中では、『破』から『Q』の間に14年経過しているという設定でしたから。その『Q』のラストの続きから本作はスタートします。本編は151分と長尺。さらに本編開始前に、前3作の振り返り短編が約4分挿入されます。初見の方への配慮もしていますね。

相変わらずだな、とある意味感心したのは、女性キャラクターのプラグスーツのエロさでしょうか。このご時世、フェミと称する向きから総攻撃されそうなエロさです。加えて、ちゃんとオールドファンのツボを押さえています。アスカが眠れずに何度か寝返りを繰り返す『破』のシチュエーションを再現したアングルで今作でも見せてくれます。いろんなものを(笑)。

前々作(2作目)の『破』でサードインパクトが発生し、3作目(前作)の『Q』では終始ケムに巻かれた様な進行・展開だったため、本作の冒頭からしばらくのシーンは全く想像していないものでした。『破』で人類の大半は滅んだと思っていたからです。
ですから14年の空白を埋めるあの展開は涙なくして見られないものでした。

そして、制作陣はこの『エヴァンゲリオン』という物語をきちんと説明して終わりにするつもりなんだな、という決意が、この時点で伝わってきました。

その予感は的中します。ここまではネタバレにならないでしょうから書いておきますが、庵野監督は、冬月副司令を含めた碇ゲンドウの出自の謎、加持リョウジの謎と葛城ミサトとの関係についてもきちんと結論を説明しています。これはアスカやマリ、渚カヲルについても、そのバックグラウンドをきちんと説明してくれます。カップリングも然り。誰と誰がくっつくなんて、それこそ省略していいポイントかも知れません。それもきちんと処理するなんて、すごく義理堅いじゃないですか。

流石に後半になるとスタミナ切れというか、手抜きと勘違いされそうな作画が続いたり、難解な単語を散りばめた力技で、それでもエヴァンゲリオン・シリーズの蒔かれた伏線の回収をきちんとやってくれている印象を持ちました。投げっぱなしで終わる作品が多い中、本作もその様にして終わるのだろう、という前評判はありましたが、決してそんなことはない、爽快な印象を残して最後まで見ることができました。ただし、これはmenehuneが理解できていないだけかも知れませんが、〈使徒〉の正体については言及はなかったですね。

これはネタバレかな。最後のショットはそうとう新海誠を意識したものだと思います。

2時間半は流石に長いですが、前日5時間(普段は7時間きちんと寝る)しか寝なかったmenehuneが、欠伸のひとつもせず、飽きずに見れましたから。そしてこれはあと数回観ないと気持ちの整理がつかないですね。

ちょっと説教くさいですが、庵野秀明という方の作品で、キャラクターの生き死にを含めた展開でこんなヒューマンドラマを見せられるとは思っていなかったので、その点も新鮮ではありました。公開初日の昨日は、ほぼネット遮断でしたので、これから皆の意見を覗いてみたいです。エヴァに関しては新劇場版から入った口で、考察はできませんが、素直に大団円。拍手を送りたいですね。


【2021年3月13日追記】
公開されて最初の週末、劇場は軒並み大入りのようですね。そして世間にはネタバレ考察が溢れているので、menehuneももう少し立ち入った感想を書いて、このエントリを締めたいと思います。

一つアドバイス。アラフィフの諸兄は2時間半の本作を鑑賞していて、目がしょぼしょぼしたりしないでしょうか。menehuneはここぞというとき、こんなサプリを愛用しています。国内の同カテゴリのサプリと比べて成分の含有量が数倍ありますし、他のレビュアーからの評価もいいですね。鑑賞中はカスミ目による弊害が薄まります。

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 さて、閑話休題。映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観て感じたあれこれをもう少し突っ込んで書いていきます。

◆天竜浜名湖鉄道の近代化遺産として一部で知られる操車場(転車台)を舞台装置として描いていましたね。

www.menehunephoto.net
以前書いたエントリにもあるように、menehuneの母の実家は猪鼻湖畔にあって、幼少期は新幹線の豊橋駅から当時の国鉄二俣線に乗り換え、尾奈駅で下車して母親の実家に遊びに行っていたので、転車台のある天竜二俣駅のことも見知っていました。ゆえに、あの一連のシークエンスはグッとくるものがありましたね。

◆執拗なまでの尻へのこだわり。
そして、「尻」への拘りです。対面ショットの際、結構な割合で「尻ナメ」の構図で描かれます。そんな構図を〈伊吹マヤ〉や、〈北上ミドリ(『Q』から登場)〉、〈鈴原サクラ(鈴原トウジの妹役で『Q』で現キャラとして初登場)〉でもやってくれるもんだから、辛抱たまりません(笑)。そして、menehuneは〈鈴原サクラ〉のキャストが、沢城みゆきさんであることを、本作のパンフを見て初めて知りました。『Q』で登場した際、印象に残るアクトだと思っていました。関西弁だからというのもあったのでしょうが、本作でも非常に印象に残る仕事をされています。彼女が崩れ落ちるシーンでも「どこから撮ってんねん!」と突っ込みたくなる尻狙いのカメラアングルです。BDで早く明度を上げて観たいです(キモ)。

◆物語終盤はギャグ展開なのか? そして解散宣言。
精神世界(マイナス宇宙)で綾波を救いにきたシンジ。そこで綾波が抱いているボロボロのつぎはぎだらけの人形に「ツバメ」と書いてあるのに気づきましたか?
・・・ギャグかよっていう。
全般このマイナス宇宙のシークエンスでは、これはギャグなのか? と思える展開が散見されますよね。加地とカヲル(司令)との意表を突くやり取りや、ゲンドウとシンジが駆るエヴァが殺陣を展開する場面はスタジオのハリボテセットであることが露呈され、まるで映画『トゥルーマンショー』のようではないですか。あのパートは案外遊びの要素がちりばめられているのではないでしょうか。

同時にこのパートは、過去のエヴァンゲリオンシリーズの総括としての機能を果たしており、それは繰り返しになりますが、若干の鼻につく説教臭さを盛り込んだ、庵野総監督からファンに対する解散宣言に見て取れます。いや、全編を通して脚本の端々には60を超えた大人たちから、特に同世代の大人になり切れないファンに対するメッセージが込められているのだろう、と嫌でも感じずにはいられなかったです。
劇場の客層は思ったほどオヂサン(オバサン)ばかりでもなく、若い連中も多くいたが、〈マヤ〉の対をなす独白や、挨拶の基本、そしてラストシークエンスに至るまで、これほど明確に、「グローウィンナップ」を示唆した作りをされると、現状の打破を否応にでも感じざるを得ないのだ。停滞から進み始めたくなる、と言い換えてもいいです。本作を観た若い連中の意見を聞いてみたいですね。

◆結局誰が転生して生き延びたのか?
ミサトがラストのアタックの際、制帽を脱ぎ、引っ詰めていた髪を下ろして往年のスタイルに戻すあたりとかも、オールドファンの泣かせどころです。
アスカは助かったのか? 先に書いた通り、menehuneは『新劇場版』からシリーズにはまった口なので、細かい経緯は解説できませんが、本作中で「生き残る組」として、アスカは描かれているようです。『Q』は『破』から14年後の設定として描かれますが、この14年間の間にアスカが〈相田ケンスケ〉と交流があったのかどうかは言及されていないので、本作冒頭の黒綾波、アスカ、シンジの漂流から同時に〈第3の村〉に合流したという解釈もあるでしょう。結局ならしてみると、劇中で命を落とすのは、碇ゲンドウ(碇ユイ)、冬月コウゾウ、加地リョウジ。葛城ミサトの4名(5名)だけなんですね。

◆劇中歌『ボイジャー・日付のない墓標』の補足エピソード
新劇場版の演出として、劇中フィーチャーされる林原めぐみさんによる楽曲が知られています。『翼をください』や、『今日の日はさようなら』ですね。そして本作の挿入歌は、『ボイジャー・日付のない墓標』。本作の世界観を表す、示唆に富んだ歌詞ですね。松任谷由実さんの楽曲で、映画『さよならジュピター』の主題歌として起用されています。「VOYAGER」とは航海者の意味ですね。小松左京さんのSF小説を原作として、東宝が1984年に公開した劇場映画で、Amazonでレンタルできます。賛否ある作品ですが、menehune的にはNG。結構なトンデモ映画です。1977年に公開された『STAR WARS』や1979年に公開された『エイリアン』に影響を受けた美術や演出がそこかしこに散見されます。
さらに『さよならジュピター』の音楽担当は、羽田健太郎さん。そう、1982年のTVアニメ『超時空要塞マクロス』の劇伴を担った重鎮です。実際、『マクロス』で使用された楽曲と酷似しているサントラが『さよならジュピター』でも使用されていて苦笑いです。 

さよならジュピター

さよならジュピター

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

【追記了】




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