はい、またしても壮大に展開予想外しまくりのmenehuneです。2024年6月23日、オンエアされた『響け!ユーフォニアム3』第12話の雑感です。原作者の承諾込みで、よくもまあここまで観る者を欺く展開にしましたねと。まず、公開オーディションは黄前久美子の提案ではなく、滝先生の発案だったこと。ここですでに前回エントリの予想は外れてます。予告を観た大半の方も同様なのではないでしょうか。外観からの判断要素を除外するため、養生を施したうえでの公開オーディション。ソリの片割れ、麗奈の負担はさておき、そこから先の投票結果の展開、からの大吉山での久美子と麗奈のコンテ/演出は、ほぼ『響け!ユーフォニアム』第8話、藤田春香さんによる演出回のなぞり。そもそも、このためだけにわざわざ会場を借りて行った公開オーディションの展開も同11話のなぞり。過去作イメージを心情的にオーバーラップさせる演出は上手いというより、良くも悪くもなぞり。観る者の感情を刺激しそうなコンテ/演出だし、menehune自身少し醒めた点ではあります。
結果麗奈と組むソリは黒江真由に。原作とは真逆です。原作が予定調和的と言ってしまえばそうですが、ものすごい原作改変ですよね。ファーストシーズンとの対比では中世古香織役が黄前久美子。吉川優子役が久石奏。大吉山での受けと攻めも久美子と麗奈のポジションがコンテ込みで逆転。なんだか若干観ていて恥ずかしくなる展開でした。OGの実績にすがっているような見せ方に。今週どんどん他メディアでも考察が出回るでしょうけれど、いったんここまでとします。追記はこの週末になるかと。ただ、これもアニオリで後付け追加された黒江真由の出自が今話で明らかになっちゃいましたから、13話は名古屋でカモン、ジョイナス!からのエピローグって感じなんだろうと。
前情報(原作未読)なしでTVアニメだけ追ってる人には案外刺さるのかしら。
【2024年6月26日追記】
第12話〈さいごのソリスト〉の公式によるあらすじは次の通り、そして(誰もが)このテキストに騙されました。「全国大会メンバーを決めるオーディション結果が発表された。それを受けて久美子は、顧問の滝昇にあることを申し出る。北宇治高校吹奏楽部は実力主義。久美子は、最後の演奏に向けてステージに立つ。」これを私を含む多くのファンが、「全国大会メンバーを決めるオーディション結果が(ソリは黄前久美子と)発表された。それを受けて久美子は、顧問の滝昇にあること(公開オーディション)を申し出る。北宇治高校吹奏楽部は実力主義。久美子は(部員の間でいまだ燻るユーフォのソリの白黒をつけるため)、最後の演奏に向けてステージに立つ。」と解釈したのです。しかしそうではなかった。公開オーディションを決めたのは、実は滝センセイでした。
これはファーストシーズン『響け!ユーフォニアム』第8話の流れとほぼ一緒です。トランペットのソロを巡り、3年生の中世古香織をまくって選ばれたのは1年生の高坂麗奈。オーディションの不正を直訴する吉川優子らの牽制を退けるため、滝センセイは(たまたまホール練習で借りていた)会場を使った公開オーディションを提示します。これがファーストシーズンの流れです。結果どうなったか。もうみなさんご存じの通り、麗奈の勝利(香織の辞退)。その音の差に部員の大半が驚いたほど。そして吉川優子は号泣しました。ユーフォが好きな香織先輩のことを想い。はいここまでは原作通りです。異なる言い方なら、改稿する必要がなかったからですね。しかし3期12話はそうしなかった。ちなみに、公開オーディションの会場として使用されたのは、1期11話同様、京都府宇治市に実在する〈宇治市文化会館〉大ホールですが、平日なら使用料は9-17時まで74,800円です。ここでの黒江真由の台詞で「かいかぶりだよ」とか「そんなに塩を送っていいの?」とか、最近の若いのは分かるんですかね。
ちなみに、公開オーディションの際、2番に対して挙手していた川島緑輝と、1番に対して挙手していた釜屋つばめのスタンスが明確に見て取れますね。それぞれ久美子贔屓でいいじゃないかという考えと、実力絶対主義を貫く、だからこそ久美子に期待していたんだけどな、という気持ち。
一方、久石奏は分かっていて2番に投票した口。じゃあ秀一は、というと、最初は冷静(一応わかって)に2番に入れていましたが、高坂麗奈の最終投票の段になって嫌な予感でもしたのか、汗をにじませます。
はい、そして最後の投票、麗奈の下した結論は、、、つばめ同様、久美子じゃないんだけどしゃあないじゃん!ってところです。そして久石奏は号泣しました。北宇治が好きな久美子先輩のことを想い。
このシーンでは、『響け!ユーフォニアム』オリジナルサウンドトラック『おもいでミュージック』から、数々のシリーズ名シーンを彩った楽曲Disc1 #28『重なる心』のアレンジ違いがフィーチャーされました。3期サントラに収録されるはずです。最初は使い回しかな、と感じましたが、新録のようですね。この『重なる心』と同サントラ収録のDisc1 #29『去来する想い』はシリーズを通じて多くのファンの心を掴んだ名曲です。記憶が正しければこの2曲のアレンジ違いが3期で使われたのは12話が初めてかもしれません。この曲は12話に登場する京都府宇治市の大吉山での久美子と麗奈の号泣シーンでも使われました。
12話にしてやっと理想の『響け!ユーフォニアム3』が観られた気がします。原作改変の件がありながら、menehune自身はこのサントラに乗って展開される映像が観たかったわけですから。名作に名サントラあり。事ここに至るまで、ユーフォ3期は暖機運転が長かったかなと感じています。
先に書いた通り、『響け!ユーフォニアム』第8話、藤田春香さんによる演出回と同じ場所、同じ言い回し、しかも久美子、麗奈とも着ているものもほぼ一緒という設定でした。『響け!ユーフォニアム3』第12話から
『響け!ユーフォニアム』第8話から。新しい方はよりデジタル化が進んでいる印象ですね。
どうも12話はコンテの小川副監督の趣味なのか、久美子の尻のでかさが強調された回でした。黒江真由もグラマラスに描かれていましたが、この違いは。。。
うーん。ふとましいですね。。。
外見で判断がぶれるとした久美子の提言により、オーディションは目隠しで行われましたが、身も蓋もないことを言うと、スメルで結構わかっちゃったりするもんですけどね。麗奈鼻が利きそうだし、なんて。
12話ひとつとっても、原作にはない公開オーディションの実施、そして久美子の敗北という大ネタ以外にも原作改変は結構ありまして、たとえば久美子の進路は時系列上、原作では明示されますが、今話ではぼかされたままとか、大吉山の久美子と麗奈のエピソードも公開オーディションを差し込んだおかげで全く違う展開です。といいますか、12話はほぼアニメオリジナル脚本と言って差し支えないほどです。もっと言うなら、『響け!ユーフォニアム3』は物語終盤に向け、どんどん原作から話が変わってきてるという特徴があると言って差し支えないでしょう。memehune自身はこのことの是非をとやかく言うつもりはありません。12話もやや辻褄合わせや、言い訳がましい台詞があったものの、秀逸なOSTの助けもあり感動することができました。ちな、これを書くためにアマプラで1期8話を見返したんですけど、黒沢さん、安済さん、二人とも声若すぎで笑っちゃいました。
さあ、来週6月30日が最終回13話ですが、menehuneの注目点は、いままでは黒江真由がスナップ/集合写真に納まらないまま来ましたが、最終話で彼女が「現像された」形で写真に収まるのかどうか。それと、皆が注目する合奏シーンがあるのか?しかも2話で紹介されて以降、触れられもしない?課題曲の『スケルツァンド』(実在する吹奏楽曲)の扱いはどうなるのか?なお何でもありの原作改変なら、全国大会当日に黒江真由に異変が。どうしよう!じゃあ、ペットとのソリは久美子が、もう一人のユーフォは奏が代役で! なんて展開があってもいいよねえ、それで全国金取っちゃったりして。なんて言ってみたり。
あとは『響け!ユーフォニアム』という曲が久美子、真由、奏のあいだで共有されるのかですね。
全日本吹奏楽コンクール。奇跡から2年――全国大会の舞台に今度は部長として立つ久美子。照明に照らされキラキラと輝くステージで思い返すのは、北宇治高校吹奏楽部で過ごした日々のこと。悲願の目標である「全国大会金賞」を果たすことができるのか……。「響け!ユーフォニアム3」堂々の最終回!
NHKの公式情報が更新されましたが、放送時間枠の拡大はないですね。