最近の建売住宅や注文住宅は、殆どの家が〈リビング階段〉なのではないでしょうか。玄関から2階のリビングへ、そしてリビングを通って3階へ通じる階段があるという構造です。この言葉の対語となるのが、〈ホール階段〉といい、玄関ホールにある階段で、リビングを通ることはありません。高層ビルのように独立した〈階段室〉をイメージするとわかりやすいかもしれません。で、実際注文住宅を建ててみたはいいけれど、10年近く住んでいると、この〈リビング階段〉のデメリットが見えてきます。
*1階から3階、その逆もそうですが、必ず2階のリビングを通らなければならない。
*2階のLDKで調理した熱や匂いが階段を伝って3階に立ち込め、結構なストレスを感じるときがある。
*エアコンの冷気、暖気の逃げ口になってしまう。
2階のリビングを中心に考えると、夏場のエアコンの冷気は階段を通じて1階へ逃げて行ってしまいます。逆に冬場はせっかく点けたストーブやエアコンの暖気が3階へ向かう階段を煙突代わりにして逃げて行ってしまいます。子供のころ理科で習った通り、温かい空気は上へ、冷たい空気は下へ流れていきます。
といった状況の3階建てにmenehuneは年老いた両親と住んでいるのですが、ご多分に漏れずうちの両親、特に父親はエアコンを点けません。昔ながらの男なので調理は一切やりませんから、夏場の調理のクソ暑さについてもあまり実感はないのでしょう。母親は身をもって知っているので、比較的エアコンを使いますが、それでも不思議なことに夏のクソ暑いさなかエアコンも点けずに扇風機だけで調理をしているんですね。どうも世代的に彼らはエアコンに対する知識が絶対的に足りていないようなので、「インフルエンサーが語る夏場のエアコン使用術」なんてネット記事をプリントアウトして、menehuneも両親、特に母親に対して啓蒙を行なっています。しかしリビングの構造を改善しないことには先に書いた通り効率的なエアコン運用ができません。そこで、リビング階段をカーテンで仕切って、冷気を漏らさないようにしよう、と思い立ち行動に移しました。
実はこの計画、冬場に関してはすでに対策済みです。2階リビングから3階へ通じる〈リビング階段〉の開口部天井部分に突っ張り棒を通して、階段の最下部まで厚手のカーテンを吊るすのです。この対策をすることで、リビングの暖気や調理の熱が3階に逃げるのを抑えることに成功しました。
そこで今年の夏は2階から1階へ冷気が逃げないよう対策を施しました。当初は1階-2階の階段開口部に対して平行に突っ張り棒を通すことを考えましたが、足を引っ掛けて転落などという事故を考慮して、1階から上がってきたときの「階段の踊り場」的な空間に対して、LDKへアプローチする位置に突っ張り棒を通すことにしました。カーテンの素材も事故を防ぐために透明なビニールにしました。エアフローをよくするためにサーキュレーターや扇風機を併用することも母親に啓蒙した点の一つですが、どうもあの方たちはエアコンの吹き出し口から出てくる冷気だけでしのごうとする傾向があって、恐らくサーキュレーターや扇風機を併用することは「もったいない」からなんでしょうね。
というわけでサーキュレーターでリビングの空気を循環させると、このカーテンが階段方向へ向かってヨットの帆のように膨らんでしまいます。まさに冷気が逃げていこうとする証左です。この対策として、100均でステンレスの板と、(300均の)強力磁石を買ってきて、カーテンを固定しています。ちなみにAmazonで購入したこのビニールカーテンに付属の磁石は磁力が弱すぎて使い物になりませんでした。最初から付いていないものを選んでもいいでしょう。
「EVA素材 丈210cm」シャワーカーテン 透明 ビニールカーテン 防カビ 180×210CM 間仕切り 冷暖房効率アップ バスカーテン 防水 透明カーテン 透明ビニールシート 透明カーテン
効率化計画の結果です。カーテンと同時にアマゾンで購入した温度と湿度の危険指数が目視できる温湿度計も設置し、リビング階段をカーテンで仕切って、冷気を漏らさないようにすることに成功しました。もう少し念を入れる方法もあるのでしょうが、今年の夏はこれでいいでしょう。母親も快適さを実感しているようでなりよりです。