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Adobe Fireflyで生成したイラストをAdobe Photoshopでアップスケールする方法


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このブログでも何度か取り上げたAdobe  Fireflyで生成したイラストですが、ストックフォトサービスで販売するにしてもサイズが小さすぎて不安を感じたことはありませんか? menehuneは少し前の記事で書いた〈Vector Magic〉を使ったイラストのベクター化で反省する機会を得たので、当面はラスター画像の高解像度、高ピクセル化を目指す方向に舵を切りました。そこで今回はAdobe Photoshopで画像のピクセル寸法をアップする方法をご紹介します。

Adobe Photoshopには「生成アップスケール」と「スーパーズーム」のふたつの拡大ツールがあります。どちらもAIを利用して画像を拡大する機能ですが、その仕組みや得意分野には明確な違いがあります。一言で言えば、「生成アップスケール」は新しいディテールを作り出す進化版、「スーパーズーム」は既存の質感を保ちつつ拡大する従来版という位置づけです。二つの機能を表でまとめます。

特徴 生成アップスケール (Generative Upscale) スーパーズーム (Super Zoom)
ベース技術 Adobe Firefly (生成AI) Adobe Sensei (機械学習)
仕組み AIが不足している画素を「想像」して新たに描き加える 既存の画素を解析し、ディテールを補完・滑らかにする
拡大倍率 2倍、4倍 最大16倍
得意な対象 低解像度の人物、複雑なテクスチャ 写真の忠実な拡大、特定の範囲のズーム
実行場所 メニューの「イメージ」内 「ニューラルフィルター」内
コスト 生成クレジットを消費する場合がある
Creative Cloud Proメンバーの場合、
〈Firefly Upscaler〉なら0クレジット、
〈Topaz Gigapixel〉なら10クレジットを消費※2025年12月現在

クレジット消費なし

1. 生成アップスケール(最新の生成AI機能)

最新のAdobe Fireflyモデルを搭載しており、単なる拡大を超えた「描き込み」を行います。生成モデルはAdobe純正モデルの〈Firefly Upscaler〉と提携モデル〈Topaz Gigapixel〉〈Topaz Bloom〉から選択します。なお、提携モデルはプレミアム機能が付加されたAdobeアカウント限定となります。

  • メリット: 低解像度すぎて潰れてしまった目や肌の質感、服の繊維などをAIが推測して描き直すため、驚くほど鮮明になります。

  • デメリット: AIが「描き加える」性質上、元の写真にはなかった微細な変化(ホクロの位置が変わる、装飾のデザインが少し変わる等)が生じる可能性があります。

2. スーパーズーム(ニューラルフィルター)

数年前から搭載されている機能で、AI(Adobe Sensei)がノイズを除去しながらエッジを立たせる手法です。

  • メリット: 元の画像の情報を極力変えずに拡大しようとするため、忠実性が高いです。また、スライダーで「ノイズ軽減」や「シャープ」を細かく調整できます。

  • デメリット: 生成アップスケールほどの「描き込み」能力はないため、極端に小さな画像を拡大すると、全体的にのっぺりとした(塗り絵のような)質感になりやすいです。

それでは具体的に操作してみましょう。

Photoshopのアップスケールに使う画像

元画像はAdobe  Fireflyで生成したイラストです。896*1200(72ppi)しかないので、これを生成アップスケールで拡大してみましょう。

 

Adobe Photoshopのアップスケール機能

生成アップスケールの操作パネルです。生成モデルはAdobe純正モデルの〈Firefly Upscaler〉と提携モデル〈Topaz Gigapixel〉〈Topaz Bloom〉から選択します。


Adobe Photoshopのアップスケール機能

〈Topaz Gigapixel〉の4倍を選択してみます。このエンジンには「顔の復元」という純正エンジンにはないオプション項目があります。これで3584*4800ピクセルに画像をアップスケールできます。あくまで参考ですが、ニューラルフィルターの〈スーパーズーム〉、生成アップスケールの〈Firefly Upscaler〉、そして〈Topaz Gigapixel〉でそれぞれ生成した画像を原寸で載せておきます。


ニューラルフィルターの〈スーパーズーム〉で拡大した画像

ニューラルフィルターの〈スーパーズーム〉で拡大した画像


生成アップスケールの〈Firefly Upscaler〉で拡大した画像

生成アップスケールの〈Firefly Upscaler〉で拡大した画像


生成アップスケールの〈Topaz Gigapixel〉で拡大した画像

生成アップスケールの〈Topaz Gigapixel〉で拡大した画像


一見しただけでは違いはないように見えますが、原寸で比較するとだいぶ違いがあることがわかります。私感ですが〈スーパーズーム〉はやや眠たい印象、〈Firefly Upscaler〉より〈Topaz Gigapixel〉の方がよりシャープに仕上がります。


Adobe Photoshopの画像解像度設定

因みに〈生成アップスケール〉を使って拡大した画像を、Adobe Photoshopの「画像解像度」で計ってみると、解像度が72ppiなのに気づきます。これも因みにですが、〈スーパーズーム〉で拡大した画像は解像度が300ppiに変更されています。


Adobe Photoshopの画像解像度

恐らくこのままストックフォトサービスの審査に出してもリジェクトされることはないでしょう。でもmenehuneは昔の人間ということもあり、一応解像度を300ppiに変更してから出品しています。この際は「再サンプル」のチェックを必ず外すことが大事です。

では両者の出力後の解像度が違うのはなぜでしょう。それは、それぞれの機能が想定している「最終的な出力先」の設計思想が異なるためです。結論から言うと、スーパーズームは「印刷」を、生成アップスケールは「画面表示(デジタル)」を初期のターゲットとして数値が割り振られています。

300ppi と 72ppi になる理由

1. スーパーズーム(300ppi)の場合

「スーパーズーム」は、主に低解像度の写真を印刷に耐えうる画質に引き上げることを目的に開発されました。

  • 印刷の標準: 印刷業界では が高画質なプリントの標準規格です。

  • 仕様: Photoshopのニューラルフィルター(スーパーズーム)は、ユーザーが「拡大して高画質にしたい」と考えたとき、そのまま印刷工程へ回せるよう、メタデータ上の解像度を自動的に へ書き換える仕様になっています。

2. 生成アップスケール(72ppi)の場合

「生成アップスケール」は、最新の生成AI(Adobe Firefly)を用いた機能であり、WebコンテンツやSNS、デジタルデバイスでの閲覧を主な用途として設計されています。

  • Webの標準: デジタル環境における伝統的な基準値は です。

  • 仕様: この機能は、元の画像の「ピクセル数」を増やすことに特化しており、印刷用の物理寸法を定義する「ppi」の設定までは自動で変更しない(あるいはWeb標準の72に固定される)仕様になっています。


重要なポイント:画質そのものは「ppi」では決まらない

混乱しやすい点ですが、ppiの数値が72であっても、画像のきめ細かさ(画質)が損なわれているわけではありません。

  • 画質を決めるのは「ピクセル数」: たとえば、 ピクセルの画像は、 設定でも 設定でも、画面上に見えているピクセルの総数(情報量)は全く同じです。

  • ppi(pixels per inch)は「印刷サイズ」の指示書: ppiは、そのピクセルを「1インチの中にいくつ詰め込むか」という印刷時の密度を指定しているに過ぎません。


どうしても300ppiに揃えたいときは?

生成アップスケール後に にしたい場合は、以下の手順で簡単に変更できます。ピクセル数は維持したまま、印刷用の設定だけを変えられます。

  1. メニューの 「イメージ」>「画像解像度」 を開く。

  2. 「再サンプル」のチェックを外す。(ここが重要です!)

  3. 「解像度」の欄に 300 と入力してOKをクリック。

これにより、AIが生成した高精細なピクセルをそのままに、印刷設定だけを に変更できます。またこの操作を行うと、画像のサイズ(cm)が縮小することに気付きます。今回の例だと、幅が「126.44cm」だったのに「30.34cm」になっています。これは「決まった数のタイル(ピクセル)を、より狭いスペースにギギュッと詰め込んだから」です。「再サンプル」のチェックを外した状態での操作は、画像の情報の総量(ピクセル数)を変えずに、密度のルールだけを書き換えることを意味します。


わかりやすい「タイル」の例え

100枚のタイルがあると想像してください。

  1. 72ppiの状態(スカスカ) 1インチ(約2.5cm)の中に72枚のタイルを並べるルールです。タイルが余るので、横に長く並び、結果として全体の長さ(cm)は大きくなります。

  2. 300ppiの状態(ギチギチ) 同じ1インチの中に300枚ものタイルを詰め込むルールに変更します。1インチにたくさん詰め込む分、100枚のタイルはすぐに使い切ってしまい、全体の長さ(cm)は短くなります。


なぜサイズが縮小するのか?(計算の仕組み)

Photoshopの内部では、以下の単純な割り算が行われています。

  • 分母(解像度)を へ大きくする。

  • 分子(ピクセル数)は「再サンプルなし」なので変わらない。

  • 結果として、答えである物理サイズ(inchやcm)は小さくなる。

実際に起きていること

生成アップスケールで作成された画像は今回「横 3584」ですので、

  • 72ppiのとき: インチ(1インチ=2.54cmなので= 126.44cm

  • 300ppiのとき: インチ(= 30.34cm

このように、デジタル上の点(ピクセル)の数は一粒も減っていませんが、「1インチに300個詰め込んで印刷してね」という命令に変わったため、印刷用サイズ(cm)がギュッと凝縮されるのです。


結論

サイズの数値(cm)が小さくなるのは、「画質が良くなった(密度が上がった)ことの裏返し」です。印刷業界で「解像度が足りない」と言われるのは、この「詰め込み」が足りずにタイルが大きく見えてしまう(=ドットが粗い)状態を指します。縮小された後のcmサイズが、あなたの作りたい印刷物のサイズより大きければ、画質としては十分に合格点ということになります。

 

  • 3744 x 2528px
  • 31.7 x 21.4cm (300dpi)

このようにラスター画像をアップスケールすると、ストックフォトサービス界隈では有利に働くかもしれません。


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