京都へ出向く際、買って帰るお土産があります。それは〈関西版のどん兵衛・そば/うどん〉〈関西限定赤いきつね・緑のたぬき〉です。menehuneはどちらかというと、一方的に関西版を支持する派です。日本語がおかしいですが、それほど〈WEST〉の出汁が好きですね。しかし現地京都で「きつねうどん」を何度かいただくと、カップ麺のきつねうどんとは明らかな違いがあることに気づきました。今回は〈どん兵衛きつねうどん・W)と〈関西限定・赤いきつねうどん〉、ふたつの関西限定カップうどんに加え、限定販売中の〈日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん〉を食べ比べ、そこから生じた疑問への解答として、「京都風きつねうどん」を自作してみたところまでレポートします。
日清食品 日清のどん兵衛 きつねうどん だし比べ西 95g×12個
- 1)〈どん兵衛 限定プレミアムきつねうどん〉を食す。
- 2)どん兵衛きつねうどん・Wを食す。
- 3)関西限定・赤いきつねを食す。
- 4)3つのうどんを食べ感じた疑問~あまきつね問題
- 5)どん兵衛で〈京都風きつねうどん〉を作ってみた。
- 6)どん兵衛・赤いきつね関西版食べ比べ、まとめ。
1)〈どん兵衛 限定プレミアムきつねうどん〉を食す。
〈日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん〉〈どん兵衛きつねうどん・W〉〈関西限定・赤いきつね〉を食べ比べてみようと思い立ったきっかけは、TBSラジオ『東京ポッド許可局』で、マキタスポーツはんが〈日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん〉のインプレを語っていたからです。あの「10分どん兵衛」を提唱した同氏のインプレは興味深いものでした。最も関心を引いたのは、10分どん兵衛に寄せてきた「8分どん兵衛」の実力と、「上品な関西風の出汁」「お揚げも甘味が抑えられている」というコメントでした。ちょうど京都から持ち帰った関西版どん兵衛と赤いきつねがあるのです。これは比較してみようじゃありませんか! と相成ったわけです。
〈日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん〉の粉末スープと薬味小袋はゴールドです。七味は「和山椒で香り華やぐ」彩り七味で関西版どん兵衛に付属するタイプのものです。〈日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん〉の食塩相当量は6.1g(めん・かやく1.7g)(スープ4.4g)。内容量は82g(めん60g)346Kcalです。
いくつかスーパーを回りましたが、価格が税抜で200円以上します。やっと西友やビッグヨーサンなどで税抜138円でGETできました。
既定のラインまで熱湯を注いで待つこと8分。〈限定プレミアムきつねうどん〉は、いかにもつややかで張りのあるうどん麺と、従来よりも厚みが増したように見えるお揚げが出現しました。実食してみると、麺はもっちりつるつるで、生うどん感をより再現していますが、8分では麺の戻りにムラがありますね。これなら本当に「10分どん兵衛」の商品化と見えなくもありません。それと、麺の量が少ない。ゆえにカロリーも低く抑えられています。
スープは関西版どん兵衛同様、透き通った関西風ですが、より甘味少な目、出汁感をアップしています。そして、油揚げですが、マキタはんがラジオで仰っていたような味の変化は感じられず、関西版どん兵衛同様「あまきつね」の域を出てはいません。
日清食品 日清のどん兵衛 きつねうどん だし比べ西 95g×12個
2)どん兵衛きつねうどん・Wを食す。
〈どん兵衛きつねうどん・W〉の粉末スープと「和山椒で香り華やぐ」彩り七味のいずれも関西系の小袋が封入されています。
※関東版(E)だと薬味は「赤唐辛子で風味華やぐ」彩り七味が封入されます。
〈どん兵衛きつねうどん・W〉の食塩相当量は5.2g(めん・かやく1.6g)(スープ3.6g)。内容量は95g(めん74g)419kcalです。
このどん兵衛は、京都土産で買ってきた税抜108円のものです。
こちらはいつも通りの〈どん兵衛きつねうどん・W〉。十分においしそうですが、プレミアムと比べれば明らかにうどんの面が細いです。プレミアムとの差異を挙げると、
麺は細いながらも74gありますので、食べ応えはあります。カロリー面でも勝っています。
プレミアムと比べてスープの塩分が少ない分、より甘さを感じます。プレミアムに出汁感を強く感じたのは塩分要素もあるのでしょう。スープ全体のバランスはどん兵衛きつねうどん・W〉の方がmenehuneは好きです。油揚げはいつもながらの「あまきつね」でプレミアムよりも若干薄く感じますが、戻し方による誤差かもしれません。
日清食品 日清のどん兵衛 きつねうどん だし比べ西 95g×12個
3)関西限定・赤いきつねを食す。
〈関西限定・赤いきつね〉は玉子が厚揚げと一緒にカップに入っているのが特長ですが、その存在は空気となっていますよね。スープと七味唐辛子の小袋も関西版のものです。〈関西限定・赤いきつね〉の食塩相当量は5.4g(めん・かやく2.0g)(スープ3.4g)。内容量は96g(めん74g)432kcalです。
この赤いきつねは、京都土産で買ってきた税抜99円のものです。
こちらもいつも通りの〈関西限定・赤いきつね〉。上ふたつのどん兵衛と比べると、味付き油揚げがさらに薄く感じます。そして本当に玉子は必要なのかしら?
麺は〈どん兵衛きつねうどん・W〉と同じ74gですが、全体のカロリーではどん兵衛を上回っています。しかし、もちもち感はプレミアムはおろか、どん兵衛Wにすら及ばない。5分ではなく、こちらも「10分赤いきつね」でトライする意味はありそうです。
スープは同じ関西版でも〈どん兵衛きつねうどん・W〉より、わずかですが塩分が抑えられています。そのせいでしょうか。甘味と出汁のバランスは日清どん兵衛の2モデルよりも好感を感じられる仕上がりです。油揚げはここでも「あまきつね」ですね。
4)3つのうどんを食べ感じた疑問~あまきつね問題
3つの関西風カップうどんを食べ比べて、改めて感じたことは、「油揚げ乾麺」の仕様と価格バランスを見極めろ、という点と「あまきつね」についての素朴な疑問です。ここまで使ってきた「あまきつね」という単語もご存じない方も多いでしょう。では少しだけ「あまきつね(あまぎつね)」について解説しておきます。
関東では普通に「きつねうどん」をお店でオーダーすると、甘く煮た油揚げが載ったうどんが出てきますよね。これは関西でも一般的なレシピです。これこそが、カップうどん黎明期から続いている、今回食べ比べたカップうどんや、一般に食堂で提供される「きつねうどん」のレシピなんですね。
しかし、京都の食堂で「きつねうどん」を頼むと、このように10ミリ弱ほどに短冊切りした〈きざみ揚げ〉が載ったうどんが出されます。しかもこの油揚げですが、味が付いていません。しかしそれがイケてないかといえば、出汁を吸って十分美味しいのです。そして京都のお店には「あまきつね」という一般的な「きつねうどん」を意味するメニューが別にあるのです。もっとも、かなりマイナーな存在でメニューにないお店の方が多いです。
ではここで疑問・質問です。甘く炊いていない油揚げが載った「京風きつねうどん」はカップ麺業界にはないのでしょうか。日清には〈京うどん〉という、きざみ揚げがトッピングされたカップうどんがありますが、それにしても油揚げには結構な味が付いていますよね。
5)どん兵衛で〈京都風きつねうどん〉を作ってみた。
ないなら自分で作ってみましょう。〈どん兵衛きつねうどん・W〉の出汁を使った「京都風のきつねうどん」を。※ここでは〈限定プレミアムきつねうどん〉を使っています
市販の油揚げ(今回は税抜79円)を購入。熱湯で少し(今回は2分)煮て、余計な油分を落とします。その油揚げを短冊切りにして出来上がりです。
これをカップめんにトッピングしてから粉末スープを投入し熱湯を注ぎます。この時点で油揚げを湯通ししないと、恐らくスープがギトギトになってしまうでしょう。従来封入されていた味付け油揚げは、別途いただきます。
本当なら九条ネギもトッピングしたかったのですが、それはカップうどんですか? というセルフ突っ込みが入ったので今日は止めておきます。でも次回試してみたい。山椒粉も切らしているので、九条ネギと一緒に手に入れ試してみると面白そうではあります。油揚げが麺の戻りに影響を与えるでしょうから、8分ではなく、10分待つことにしました。
どうですか! おいしそうじゃないですか。でもこうして絵面で見てしまうと緑色の九条ネギを散らした方が映えたでしょうね。
やはり油揚げが熱を吸収したせいもあって、10分経っても、十分に戻っていない麺がわずかにありました。〈プレミアムどん兵衛〉については、先に書いた通り十分美味しいです。では油揚げはどうか?いけますよ、これ! 粉末スープの出汁と塩味だけで十分に美味しいし、そもそも食感が封入されている味付き油揚げとは全く異なります(そりゃそうなんですけれど)。ここでも事前に湯通ししたことが奏功しています。スープのぎらつきがほぼ見られないからです。
出汁を吸った油揚げを口に運ぶと本物の「京風きつねうどん」をいただいている気分になります。なにより、あの甘さが際立つオリジナルの油揚げが苦手な方には確実にお勧めできますね。〈日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん〉138円、〈健康豆元 使い切り油あげ2枚入り〉79円。締めて217円+税、厳密にはガス代と手間もかかっていますが、まったく次元の異なるカップ麺に仕上がりました。なぜメーカーは「あまきつね」だけで、「甘くないきつね」商品を開発しないのかしら。
日清食品 日清のどん兵衛 きつねうどん だし比べ西 95g×12個
6)どん兵衛・赤いきつね関西版食べ比べ、まとめ。
ということで今回は、関西風のお出汁でいただくカップきつねうどんを食べ比べ、そこから生じた疑問の解答として、市販の油揚げをトッピングした〈京都風・どん兵衛きつねうどん〉を作ってみました。2020年の冬は寒くなりそうなので、こんな遊び方もありかもしれません。menehuneは次回、〈どん兵衛きつねうどん・W〉とたっぷりのおろし生姜、そして葛粉を使って、暖まる「京都風たぬきうどん」を作ってみても面白いかな、なんて考えています。
というわけで、昨日の今日。さっそく作ってみました。