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アニメ『響け!ユーフォニアム3』第6話/第7話の雑感。


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©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

2024年5月26日、今日はアニメ『響け!ユーフォニアム3』第8話のオンエア日ですが、それより前に、ようやく第6話と7話の雑感を書いておきます。以前のエントリでも書きましたアニメ『響け!ユーフォニアム』シリーズでのパーカス担当にして裏ヒロイン〈井上順菜〉の出番がアニメ3期では少ないなあと。これ、残念ながら原作での記述がなくなっちゃたからなんですが、上の画像の〈釜屋すずめ〉シーンではパーカス隊の姉〈つばめ〉に駆け寄るカットで久しぶりに登場です。第6話は京都府大会メンバーの発表での悲喜こもごもが描かれ、

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

京都府大会の模様が描かれます。上のカットは京都府大会でのもの。もう一つのカットと対になっていて、〈井上順菜〉を中心にメンバーを舐めているカメラワークであることがわかります、そして京都府大会での演奏シーンはありません。これは原作でも端折られています。6話の演出は京アニ作品の中でも比較的地味な回を担当する傾向がある、という印象がある北之原孝將さん。何かと劇伴の印象が薄いアニメ3期ですが、比較的ドラマを盛り上げる劇伴の使い方がされていたかと。麗奈が振り向きがてら久美子に語り掛けるアクションなど地味に目を見張る箇所がありました。そして何と言っても『響け!ユーフォニアム』がアニメ3期では初めて流れます。しかしながら全体的には溜め回で地味な印象の回でした。

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そんな中、エンドカードだけは派手に笑かしてくれるという。以上が『響け!ユーフォニアム3』第6話の雑感。


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続いて第7話の雑感。夏休みの予定についての麗奈と久美子のやり取りですが、ニヤニヤが止まりません。それと妙になまめかしく見える久美子の腰つき。このしな作り加減が堪りません。本来ならセーラーの脇から素肌が覗けているのが通例でしたが、ここもNHK的な表現の考課基準のような気がします。「モナカ」という言い回しが出ましたが、真由が知らないのも当然。アニメ1期13話で登場したBチームを指す言い回しですからね、ちな、アニメ1期のDB/DVDのみ収録の番外編『かけだすモナカ』は葉月が大活躍する神回ですよ。

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ロケ地情報ですが、お盆休みの1日目に久美子と葉月たちが大学の情報収集に赴いた先は、京アニさんのイベント会場でもおなじみの〈京都市勧業館みやこめっせ〉となります。あの凶行の追悼式が催された場所でもあります。

京都市勧業館みやこめっせ祇園から白川筋を上がっていくと平安神宮にたどり着きます。その手前にある展示場が〈みやこめっせ〉です。久美子と葉月がお茶したカフェは実モデルがあるのかどうか不明です。これもNHK的な基準だと明確なお店がモデルになっているとは考えにくいのですが、特定されてるんですかね。

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アニメ『響け!ユーフォニアム3』第7話では北宇治吹部OGの中川夏紀、吉川優子の「なかよしかわ」コンビが登場。優子パイセンのデカリボンが中くらいになっていて笑えます。しかしながら原作にあったコンサート鑑賞の件(お盆休み3日目)はばっさりカット。恐らく鎧塚みぞれと傘木希美のコンビ「のぞみぞれ」はアニメ3期を通じて全カットの方向かと。7話では久美子の姉、麻美子も登場します。父親との邂逅も描かれ、これは原作通りですね。

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はい出ました。水着回です。お盆休み2日目の模様。こちらも色んなところの描写を抑えたNHK仕様となっております。

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1年生、特に〈義井沙里〉の水着姿が楽しみというのは3話の雑感でも書きましたが、やはりというか、黒髪ロングの隠れ〇乳のようです。以上現場からのご報告でした。

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アニメ『響け!ユーフォニアム3』第7話では、原作の記述にない、アニメオリジナル脚本で、大前久美子と黒江真由との会話劇が展開されました。あの件、見ていて解りましたか?

(真由は)普通のヒトより自分がない。(好き嫌いがない、自我がない、主張がない、あらゆることがどっちでもいい?)

これを聞いて久美子は真由に対する曖昧な苦手意識の原因にたどり着く。真由は中学時代の自分なのだと久美子は思います。

(真由は)リズは欲張りだなって思う。ほかに動物はたくさんいるのに、リズは青い鳥に固執した。
でも普通の人の見方じゃない、とも思う。普通の人はあんな風に何かに固執するんだよ。久美子だって、好き嫌いでものを選ぶでしょ?

でも、好き嫌いで物事を決めるのが普通。選り好みしない、自我がない、主張がないっというのは普通じゃない、と言い切るのは極端じゃない、と久美子は突っ込むけれど、真由は固執しないヒト、主張がないヒトのことは絶対好きにならないと。だってあたしがそうだから(冒頭の真由のセリフに戻る)。つまり、真由は自分自身ことが好きではないと。

とても回りくどい脚本なので面食らった方も多かったことでしょう。真由の傍観者的側面を補強した一方で、久美子が真由に対する苦手意識の原因が中学時代の自分(当事者意識の欠如)を思い出させるから、って、本当にそれだけなのかしら、などとmenehuneは思います。だって、久美子はここまでの展開で真由が自分よりもうまいことを認識しているからこそ真由が苦手じゃないんですかね。


誰とでも上手に話せて、誰のことも悪く思わない(真由のことね)。でもそれって、、、という久美子の独白を経て、彼女は真由を当事者とするための行動に出ます。プール帰りの集合写真に真由を加えてみたのです。このアクションも原作とは異なりますね。原作では集合写真には終ぞ真由は参加しなかったとだけ書かれていますが、アニメでは彼女が加わった集合写真は現像の失敗でプリントされていなかったという展開となっていて、結果的に真由が当事者となったということにはされていません。しかし7話のラスト、お盆休み明けのエピソード。ここでアニメオリジナルの真由の「オーディション、本気(マジ)でやったるよ宣言」です。ちょっと驚きました。あれ、ここでこんな台詞入れちゃったら、第8話のオーディション前の真由の(浴槽内での)セリフはどうなっちゃうのでしょうか?わかった、NHKだから風呂のシーンごとカットか!だからあ7話のここで真由に「当事者になっちゃる」宣言させたんだと。とか勘ぐってみたりして。あっ、公式いま見たら、風呂場のシーンあるみたいですねw。それと逆上気味の久美子の止め絵もあるので、やっぱり真由のあのセリフが原作通り出てきてからの久美子のあの表情なんでしょうね。

結局のところ、黒江真由という存在は、黄前久美子ないし、北宇治吹奏楽部にとっての、いまは無き(比喩)田中あすかなんだろうと。私がいなくとも吹部は続く。私の存在なんかすぐに忘れる、とうそぶくあすかに対する久美子の対応。そう、アニメ『響け!ユーフォニアム2』第10話の名シーンです。それに対する久美子(と、一応北宇治吹部の当時の2年生以下の部員の共通認識)は異なるものでした。あすか先輩と一緒に吹きたい。というセリフの裏にある本音。これは現在の久美子にとって、真に実力のあるメンバーとともに吹き、全国金を目指したいという感情の裏返しなのではないでしょうか。ではなぜ久美子は真由を恐れるのか?それは立場の差があるからです。編入生が田中あすか並みの実力で、自身や後輩の立場を脅かすとなったら、それは拒絶するでしょう。表面では実力主義と言ってきおながらです。つまり、近親憎悪が裏目に出た、って感じです。上手くまとまってないですね。追って訂正するかもです。

 

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今回の最後に若干の不安もあるので、現時点での印象を忌憚なく書いておきます。TVアニメ『響け!ユーフォニアム3』ですが、現時点での評価はあまり良くありません。端的に言うと、劇伴とアニメ本編がうまく機能・シンクロしていないからでしょうか。田中あすかが卒業するまでの1年間をTVアニメ2クールで描けた時間的功績は大きいです。繰り返される印象的で効果的な劇伴と、コンクール自由曲の『三日月の舞』。これを繰り返し見せ聴かせることができたことが、TVシリーズ前2作を盛り上げた最大の功績といっても過言ではないことを、3期を観ていて感じます。感情を動かす音楽が伴わない群像劇を見ているようでかなり退屈。もちろん原作のエピソードを上手く脚色してくれてはいますが、その原作そのものに厚みがないこともあり、かなり退屈。黒江真由の扱いも、ちょっとひねり過ぎのような気もします。現時点の情報では全13回、あと6話残ってはいるのですが、どこまで盛り返せるか?そして前2作で観る者を魅了した数々の劇伴(OST)楽曲による名シーンが、今作ではいまのところ見当たりません。これは致命的な問題ですね。例えばアニメ1期だけで挙げてみても、

『響け!ユーフォニアム』第8話、藤田春香さん演出による回。終盤久美子と麗奈による楽曲が展開される中進行する物語はまさに神回。
同11話。雪村愛さん演出による回。劇伴に載って進行する中世古香織と麗奈のソロパート対決前の一連のエピソード描写が秀逸。
同13話。山田尚子さん演出による1期最終回。松田彬人さんが手掛ける印象的な劇伴と映像がシンクロした
言うまでもなく神回。
なんだ、みんなOGじゃんか。

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