秋の終わりから翌年の春先まで、新品で購入したpatagonia(パタゴニア)の〈Cloud Ridge Jacket〉(クラウドリッジジャケット)の撥水性が落ちてきたな、と感じたので、パタゴニアの店頭でも販売されている、イギリス生まれの〈Grangers〉(グランジャーズ)の洗剤と撥水剤で洗ってみました。以下その手順です。ちょっとした冒険譚もプラスしています。
買ったばかりの防水ジャケットは、びっくりするほど水をはじきます。その理由は、製造の過程で、DWR(Durable Water Repellent:耐久撥水加工)という水をはじく加工が施されているからです。それでも、山やアウトドアでたくさん着るうちに、泥や油の汚れがDWRを覆ってしまいます。また、一般的な家庭用洗剤使用すると、DWRを洗い流してしまう恐れがあります。その結果、表面は水をはじかなくなり、水分が付着します。〈グランジャーズ〉の専用洗剤は、DWRを傷つけることなく、ジャケットに付着した汚れを落とします。DWRにダメージがなければ、洗濯することで撥水性は回復します。水をはじかなくなったと感じたら、〈グランジャーズ〉の洗剤で洗濯してみてください。
それでも長い間使用していると、ジャケットの生地は摩耗し、撥水加工を失います。〈グランジャーズ〉の撥水剤を使うことで、優れた撥水性を取り戻すことができます。
〈パタゴニア〉のクラウドリッジジャケットは、H2Noパフォ-マンス・スタンダード・シェル。DWR(耐久性撥水)加工が施されている。
それでは、実際の洗濯と、撥水作業の流れをご紹介します。
〈パタゴニア〉のクラウドリッジジャケットを〈グランジャーズ〉の洗剤で洗う。
1)洗濯方法の確認
〈パタゴニア〉のクラウドリッジジャケットに付いている洗濯表示を確認します。特段洗濯ネットの使用は推奨されていないので、今回は使いません。
2)準備
まず、洗濯中にジッパータブ面やファスナーが絡まったり、傷がつかないように、すべて閉じておきます。ついでに今回、これも撥水性が落ちてきた5年ほど前に購入した、BLUNT(ブラント)の傘本体とカバーも洗ってみることにしました。カバーはジャケットと一緒に洗濯機へ放り込みます。本体をさすがに洗濯で回すわけにはいかないので、手もみ洗いをしてみました。
〈グランジャーズ〉パフォーマンスウォッシュ300ml のグリーンのキャップを開けると、飲むヨーグルトみたいな内栓のビニールシールドが現れますが、ふちがないため、開けられません。
仕方なく指を押し込み、無理やりこじ開けました。案外これが正解なのかもしれません。
3)〈グランジャーズ〉パフォーマンスウォッシュを投入する
グランジャーズ・パフォーマンスウォッシュ300ml 1,000円+税
洗濯機に直接投入するタイプの水性クリーナーです。
防水透湿素材の透湿機能や表地の撥水性を損なわずにクリーニングします(公式サイトより)。
〈グランジャーズ〉パフォーマンスウォッシュをよく振って、キャップに洗剤を注入します。キャップ1杯が50mlで、ジャケット1枚につき1杯とボトルの説明書には書かれています。日本の洗濯洗剤のように、キャップが二重構造になっていないため、キャップを閉めた後、盛大に液漏れしますので、敷物があったほうがいいでしょう。
4)ジャケットを洗濯機に入れ洗濯スタート!
洗濯の標準コースで、すすぎは2回、脱水は無しにセットしてスタートさせます。
防水透湿素材のウェアを脱水する場合、部分的に溜まった水が抜けずにウェアを傷めたり、洗濯槽が破損する恐れがあるため、メーカでは手絞りを推奨しています。
menehuneはいったん洗濯機を止め、〈ブラント〉の傘を投入。手洗い&もみ洗いを行いました。
こうして手洗いした、〈ブラント〉の傘は温水シャワーでゆすぎをして、撥水加工までの間、浴室でスタンバイです。
ここまでが、洗濯編です。つづいて、撥水加工編をご紹介します。
〈パタゴニア〉のクラウドリッジジャケットを〈グランジャーズ〉の撥水剤で洗う。
1)〈グランジャーズ〉のクロージング リペルを投入する
グランジャーズ・クロージング リペル300ml 1,400円+税
洗濯機に直接投入するタイプの撥水剤です。
撥水性を失った表地に撥水加工を施します。
環境に優しいアクリルポリマーを使用しているため、高い撥水効果があります(公式サイトより)。
〈グランジャーズ〉クロージング リペルをよく振って、キャップに洗剤を注入します。キャップ1杯が50mlで、ジャケット1枚につき2杯とボトルの説明書には書かれています。パフォーマンスウォッシュ同様、日本の洗濯洗剤のように、キャップが二重構造になっていないため、キャップを閉めた後、盛大に液漏れしますので、敷物があったほうがいいでしょう。
2)ジャケットを洗濯機に入れ撥水加工スタート!
洗濯の時と同様、標準コースで、すすぎは2回、脱水は無しにセットしてスタートさせます。
防水透湿素材のウェアを脱水する場合、部分的に溜まった水が抜けずにウェアを傷めたり、洗濯槽が破損する恐れがあるため、メーカでは手絞りを推奨しています。
menehuneはここでも〈ブラント〉の傘を投入し、手洗いで撥水剤をなじませます。
果たして〈ブラント〉の傘の撥水性能は回復しているのでしょうか。後日テストをしてみます。
3)乾燥させる
手絞りをしたのち、直射日光を避け、風通しの良いところで完全に乾かします。
Grangers(グランジャーズ)のアウトドア用品専用洗剤は、くたびれたアウトドアジャケットの撥水機能を回復させることができるのか? といいますか、それが目的の商品なので、そうでないと困るのですが。一晩寝かせて、霧吹きで水をかけてみます。
結果は後日掲載します。
原産国はイギリス。スメハラにつながるようなきつい香りは一切ありません。
※「ご使用の頻度にもよりますが、製造・販売からおおよそ5年を経過したウェア商品の場合は、防水素材の経年劣化により防水皮膜が剥離することがありますのでご注意ください」と公式では注意をしています。
今回のジャケットは購入から1年しかたっていないので、おそらく良好な結果が出るでしょうけれど、裏地がボロボロ剥げてきているような経年劣化が激しいジャケットは使用の対象外、ということでしょう。
梅雨空の下、撥水性のテストを兼ね、雨に打たれてきました。まずまずです。特に〈ブラント〉傘の撥水性は見事に回復しています。