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東扇島での勤務をお勧めできない最大の理由と明るい展望!?


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東扇島と川崎市内を結ぶ川崎港海底トンネル

東扇島と川崎市内を結ぶ川崎港海底トンネル



「東扇島」という単語はあまり耳馴染みがないかもしれないですね。川崎の沖にある人工島なのですが、物流業界で働く方や、日雇いアルバイトを生業としている方ならいやほど聞かされた言葉でしょう。企業の物流拠点が数多く存在し、数多くの倉庫で数多くの品物がピッキングされ梱包され出荷されていく。当然多くの入荷物もあり、フォークリフトが慌ただしく行き交い、そのフォークに轢かれまいと倉庫従事者は周りに気を遣いながらちょこまかと作業に勤しんでいるわけです。今回はそんな東扇島での勤務をお勧めできない理由と今後の希望もご紹介します。

 

 

東扇島へのアプローチ、とにかく面倒なんです

 

ESR東扇島ディストリビューションセンター

ESR東扇島ディストリビューションセンター



そんな東扇島ですが、JR川崎駅から距離にして概ね10キロほど。自動車なら25分ほどで通える距離ですが、多くの日雇いアルバイト従事者は川崎市営バスを利用することになります。例えば、朝9時から始業するお仕事があったとします。乗車は川崎駅東口のバスロータリー。朝の時間のこの川崎市営バス乗車地獄絵図という状況があるのですが、ここでは敢えて書きません。例えば「川05系統:東扇島循環」というバスがあります。職場は〈東扇島二十二番地〉というバス停から徒歩5分ほどの最新物流拠点、「ESR東扇島ディストリビューションセンター」です。時刻表で見る限り、朝8時11分に川崎駅を出発するバス(急行)は8時36分に〈東扇島二十二番地〉バス停に到着し、余裕で職場まで辿り着くことが出来ます。乗車時間は25分。文庫本でも読みながら時間を潰しましょう、とはならないのが東扇島での勤務をお勧めできない最大の弱点(ウイークポイント)なんですね。何度か通ってみると実感できますが、時間通りに着いた試しがありません。


ESR東扇島ディストリビューションセンター

ESR東扇島ディストリビューションセンター



つい先日も経験したのですが、定刻8時11分に出発したバスが目的地のバス停に到着したのは8時53分。17分の遅れとなり、そこから早足で「ESR東扇島ディストリビューションセンター」まで辿り着きギリギリ間に合ったのですが、タイミーのチェックイン時間は9時6分。いわゆる修正依頼をする羽目になってしまいました。そこは半年ぶりにお世話になった現場だったのですが、担当社員の方が私を覚えてくれており、退勤後10分と待たないうちに修正依頼がすみ、ギャラを受け取ることが出来ました。今回は半年ぶりの現場だったため、この「バスが時間通りに運行しない」という東扇島勤務における最大の弱点を失念していたことが私自身の失敗でもありました。実はこの状況というのは、退勤後同じ循環線のバスで川崎駅に向かう際も被ることになります。〈東扇島二十二番地〉バス停から夕方17時8分発のバスに運良く乗れて席にも座れました。ここまではいいのです。時刻表通り運行されたとしても川崎駅一つ手前のバス停〈銀柳街入口〉に到着するのは17時43分。実に乗車時間は42分にもなります。これは夕方のバスの急行がないせいもありますが、実際は交通渋滞のため18時手前にようやく到着なんてことも珍しくはないのです。たった10キロの移動で下手をすると1時間近くバス車内でイライラすることになりかねないのですね。このように行きも帰りも川崎市営バスを利用する労働者は毎日こんな憂き目にあっているのです。これが東扇島での勤務をお勧めできない最大の理由です。

東扇島へのアプローチ、慢性的な渋滞とその回避策

東扇島と川崎市内を結ぶ川崎港海底トンネル

東扇島と川崎市内を結ぶ川崎港海底トンネル



果たしてなぜこのような交通渋滞が起きるのか。これは東扇島と川崎市内を結ぶ経路が「川崎駅東扇島線」つまり、川崎港海底トンネルを経由するルートしかないからです。実は東扇島には首都高速湾岸線経由でJR横浜駅(YCAT)を結ぶバスが運行されてはいるのですが、片道530円と川崎市バスの2倍以上という高額です。川崎駅経由の労働者には何の恩恵もありません。では何の回避策もないのかというと実はそうでありません。東扇島で今後も働くことになるかもしれない方のために、耳寄りな情報を二つ書いておしまいにします。それは「無料送迎バス」を利用する、というものです。例えば中日臨海バス(CRB) の乗降場所は川崎駅東口のチネチッタがある辺りなのですが、ある特定の物流拠点での仕事にありついたなら、この送迎バスを利用することを薦めします。利点は二つあって、無料なこと。そして途中停車がないことです。バスのドライバーは渋滞を縫うように運行してくれるスタイルのため、路線バスのようにバス停での途中乗降を行う故の渋滞巻き込まれに遭うケースが比較的少ない。運行路線も、ルートは固定ながら比較的空いている道路を選んで運行してくれているので、乗車時間が短い点も嬉しい。ただし例えばタイミーの求人でも全ての東扇島案件でこのような送迎バスがついてくることはないのが現状です。先ほど例に挙げた「ESR東扇島ディストリビューションセンター」でもプロパーの従業送迎バスの仕組みはあるもの、日雇い労働者レベルまで降りてきていないのが実情であり、今後の課題は送迎問題とどう向き合うかかもしれません。ただしこの無料送迎バスですが、渋滞につかまらないわけではない点(ドライバーの裁量による。遅延上等のおっとり(皮肉)ドライバーもいる)と、経由地を見誤らない点に注意です。途中2か所も物流拠点を経由して、おまけに産業道路の右折信号にこれでもかと引っ掛かり、まさかの遅刻という憂き目に遭わないようご注意ください。


東扇島へのアプローチ、将来への明るい展望!?

 

川崎港臨港道路東扇島水江町線の橋脚(川崎側)

川崎港臨港道路東扇島水江町線の橋脚(川崎側)



もう一つは、まだまだ先の話ではありますが、「川崎港臨港道路東扇島水江町線」として、東扇島と水江町を結ぶ斜張橋の建設が進められています。完成は当初の予定から遅れて2027年。さらに開通まではそこからもう少しかかるでしょう。川崎港海底トンネルにはいくつか課題があって、ひとつは大規模震災時のリスクで、海底トンネルそのものに被害が想定されるのと、災害時の代替ルートの確保問題でした。2008年から東扇島地区には東京湾臨海部基幹的広域防災拠点が整備されています。これは首都直下地震発生時に緊急輸送活動の支援業務や、岸壁・航路の応急復旧や障害物の除去等による交通の確保、運送事業者に対する輸送の要請、船舶、航空機を用いた緊急輸送の支援を行うことが目的です。その役割に基づき、発災後東扇島防災拠点等を24時間以内で応急復旧し、緊急物資を受け入れるために場内整備し、その後、東扇島防災拠点を核とした緊急物資輸送の支援活動を行うことになります。災害発生時には、東扇島防災拠点は国の管理下におかれ海外からの物資を始めとした物流に関するコントロールを行うとともに、海上輸送、河川輸送、陸上輸送等への中継基地や広域支援部隊等の一時集結地・ベースキャンプとして機能します。それゆえ、発災時に東扇島と内陸部の緊急物資輸送ルートの多重化が課題となっていました。

かわさきファズ物流センター脇の川崎港臨港道路東扇島水江町線アプローチ(上りランプ)

かわさきファズ物流センター脇の川崎港臨港道路東扇島水江町線アプローチ(上りランプ)



話を戻しましょう。具体的には、「川崎港臨港道路東扇島水江町線」の東扇島側は幹線5号道路の「かわさきファズ物流センター」A棟とB棟のあいだにアプローチ部を設け、斜張橋を経て、皐(さつき)橋水江町線へ至るというものです。このランプは東扇島から川崎方面へ向かう上り線ランプとなります。

かわさきファズ物流センターA棟とB棟のあいだにアプローチ部(上りランプ)

かわさきファズ物流センターA棟とB棟のあいだのアプローチ部(上りランプ)

 

首都高湾岸線の上をまたぎ京浜運河へ伸びている川崎港臨港道路東扇島水江町線

湾岸道路と首都高湾岸線の上をまたぎ京浜運河へ伸びている川崎港臨港道路東扇島水江町線

向かって左から伸びるのが川崎方面への上り線。川崎方面から右側に伸びているのが川崎方面からの下り線ランプです。

湾岸道路と首都高湾岸線の上をまたぎ京浜運河へ伸びている川崎港臨港道路東扇島水江町線(東扇島側)

湾岸道路と首都高湾岸線の上をまたぎ京浜運河へ伸びている川崎港臨港道路東扇島水江町線(東扇島側)

ロジポート川崎ベイ脇の川崎港臨港道路東扇島水江町線(上り下りの分岐点)

ロジポート川崎ベイ脇の川崎港臨港道路東扇島水江町線アプローチ(上り下りの分岐点)

上り線と下り線の分岐点あたり。左に向かうランプが下り線。右からやってくるのが上り線ランプです。下りランプは国道357号線と並行する形で幹線2号道路手前に着地する感じですね。

京浜運河へ伸びている川崎港臨港道路東扇島水江町線を水江町側から

京浜運河へ伸びている川崎港臨港道路東扇島水江町線を水江町側から

 

水江町側の川崎港臨港道路東扇島水江町線の橋脚

水江町側の川崎港臨港道路東扇島水江町線の橋脚


対岸の水江町川は水江町の北端、〈西水江〉バス停付近までスロープを構築するようですね。JFEスチール正門前の橋脚がこんなに高いんだからそのくらいのスロープ距離が必要になるでしょう。因みにこの道路計画の用地確保のため、旧・神奈川臨海鉄道水江線跡地が提供されています。従来塩浜交差点から夜光交差点までの朝夕の渋滞が東扇島と川崎駅を結ぶ最大のネックということはいままで書いてきましたが、東扇島水江町線が開通すると、どうなるのでしょう。川崎市も国が進める臨港道路東扇島水江町線整備事業の関連事業として、増加する交通量を見越して道路の拡幅工事を行なっています。皐橋交差点と県道101号線への接続がスムーズにいけば、チネチッタ寄りの川崎駅前南交差点側から川崎駅にアプローチできることになります。下りも然りです。川崎市営バスが路線を新設すことが前提になりますが、市バスにせよ無料バスにせよ、東扇島とを結ぶルートが一つ増えるのですから交通量の分散にもつながるでしょうし、災害時に島に取り残されるといったリスク回避も図れることになります。

 


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