イタリア語で〈trattoria〉(トラットリア)とは、大衆向けのレストランのことを指します。箱根は相応の交通費がかかるものの、都心から1.5時間ほどでアクセスできる身近なスパリゾート地です。残念だけれどランチして日帰り温泉、という向きにおススメの、最近通ったおいしいパスタランチがいただけるトラットリアを6件ご紹介します。箱根の豊富な温泉を楽しみがてら、こちらのお店にも足を運んでみてください。
ラ・テラッツァ芦ノ湖(La Terrazza Ashinoko )
〈ラ・テラッツァ芦ノ湖〉は、元箱根港行きのバスで「箱根神社入口」下車。徒歩3分。毎年冬季休業があります。にろくに調べもしないで行ったら、なんと休業中。もっともこのお店、毎年2月のこの長期休業以外は定休日はないそうなので、さすがその割り切り、さすが人気店は違います。正直言って2月の箱根は寒いのであまりお勧めはしません。
冬季休業明け、箱根〈ラ・テラッツァ芦ノ湖〉に入店してみました。
彩りよく様々な箱根由来の野菜が盛られた〈ラ・テラッツァ芦ノ湖〉のサラダは盛り付けだけでおいしそう。インスタ映えをちゃんと意識しています。
箱根〈ラ・テラッツァ芦ノ湖〉はインバウンド対策の外国人ウェイターを配しているのはいいのですが、実際はmenehuneがオーダーしたものよりも100円高い品物がサーヴされました。注文間違えですね。〈もち豚と玉ねぎのソース手打ちパッパルデッレ〉1400円。別の日にメニューをみたら、どちらも最初の言葉が、「もち豚」なのね。これは間違うもとです。
本来頼みたかったもの。「もち豚のミートソース」1300円です。〈手打ちパッパルデッレ(幅広パスタのほう)〉は正直食べづらいですね。量も少ないと感じました。menehuneにはミートソースのほうがしっくりして、美味しくいただきました。
冬季休業明けとはいえ、2月の底冷えする日だったので、スープを別途注文しました。あとパンも。〈ラ・テラッツァ芦ノ湖〉は季節を見越した体が温まるメニューを用意してくれているのは好評価です。とても上品な店構えのため、どちらかと言えばリストランテ的ポジションかもしれません。スタッフも意識高い系で元気ですし、料金設定もチト高めです。
それから、このお店、テラス席がペット(おもに犬)入店可なのはいいとして、鳴き癖のある犬と止めない飼い主にあたると結構煩いのは事実です。
〈ラ・テラッツァ芦ノ湖〉
〈住所〉神奈川県足柄下郡箱根町元箱根61
〈電話〉0460-83-1074
トンチーノ(Toncino)
灰色の空、2月の厳冬。身も心も凍るこの時期の箱根行きは正直お勧めできません。特におひとりさまには(笑)。〈ラ・テラッツァ芦ノ湖〉が休業するのも理解できます。
というわけで、小道を挟んだ向かいにあるのが〈トンチーノ(Toncino)〉です。元箱根港行きのバスで「箱根神社入口」下車。徒歩3分。
〈トンチーノ〉のサラダは葉物が多いため量があるように見えますが、さほどではありません。彩りが乏しいのは否めません。〈トンチーノ〉の店頭には定番メニューが掲出されていますが、店内のメニューにはそれ以外のパスタも10種ほどセールされています。気になったのは、スープのメニューが一切ないことと、スープ系のパスタがないこと。温野菜系のサラダもメニューにはありません。2月、箱根を逸れた雨雲が東京で雪を降らしている今日この日に、これらの温かいメニューはいかに魅力的に映るでしょう。検討をお願いします。
オーダーしたアラビアータ1200円、プラス大盛り100円が美味だったことを思うに、惜しいところではあります。粉チーズとタバスコは頼めば提供してくれると思います。給仕用のカウンターにふんだんにありましたので。menehuneが頼まなかっただけ。つまり、デフォでは提供されないということです。
〈トンチーノ〉
〈住所〉神奈川県足柄下郡箱根町元箱根55
〈電話〉0460-83-6780
〈公式サイト〉なし
ラバッツア(La Bazza)
宮ノ下の富士屋ホテルから箱根神社方面へ左折した左側にある、特徴のある元銀行だっ建物を流用して営業しているのが〈ラバッツア(La Bazza)〉です。バス通りに面した階段は急なので、利用はお勧めしません。動かないエスカレーターを階段として活用していますので、そちらを利用しましょう。
箱根〈ラバッツア(La Bazza)〉は、シェフとママさんの二人オペレーションで、サラダやパスタのサーヴの間隔が極端に短い、つまり同時に提供されることがあります。ママさんは給仕のほかに電話対応もしければいけないからです。
〈ラバッツア〉のパスタランチには、パンにオリーブオイルとマーガリンが付いてくるのは高ポイントです。
味は満足です。さすが経歴あるシェフですね。パスタランチ1,280円 。シーフードとトマトソース。
ミネストローネ480円。パスタランチ1,280円。ミネストローネは具沢山で、これとパンだけで十分な気分になります。
甘口のカルボナーラを粗挽きの黒胡椒が引き締める。それくらい甘口のカルボはちょっと苦手かも。年季が入った店内、オーナーシェフがお元気なうちに足を運んでみてください。
〈ラバッツア〉
〈住所〉神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下344
〈電話〉0460-87-9223
イルピアチェーレ(IL PIACERE)
桃源台に向かい仙石原の交差点を左に折れ、しばらく行くと左側に〈イルピアチェーレ(IL PIACERE)〉が見えてきます。不定休なので、事前連絡すべしです。
天井のイラストが印象的な〈イルピアチェーレ〉の店内です。若夫婦が切り盛りする店内は天井のイラストが凝っていておとぎの国にいるようです。
箱根〈イルピアチェーレ〉のランチセットは、パスタ以外のメニューも選べますが、子ここではパスタをチョイスします。「ベーコンと野菜のトマトソース(アマトリチャーナ)」はサラダとコーヒーのセットで1,500円+大盛200円です。野菜というか豆がゴロゴロですね。
落ち着いた味だが、トマトソースにはもう少し塩味とコクが欲しいところです。デフォで少しかかっていますが、粉チーズは出てきません。ずいぶん辛辣なことを書いているブログも見たけれど、投稿は2008年。それから10年続いているわけで、それをもっていかに的外れな指摘であることか分ります。当時はともかく現在店内は禁煙です。ご安心ください。
イルピアチェーレ
〈住所〉神奈川県足柄下郡箱根町仙石原901-31
〈電話〉0460-84-4630
ソラアンナ(cucina sora Anna)
箱根〈ソラアンナ(cucina sora Anna)〉は登山鉄道「宮ノ下」駅から国道1号線に下りてきたところにあります。「宮の下」バス停からもほど近いです。ランチはコースのみです。季節のスープと前菜、パスタがメインで、1,530円プラス税となります。※その後メニュー構成と価格が更新されています。詳しくは下にある公式サイトのリンクからご確認ください。
玉ねぎのスープは特濃。ちんちんに熱いのでフーフーしながらいただく。物静かな若夫婦で営まれるお店のようだが、平日の昼下がり、客はmenehuneただ一人。マスターと差しのランチタイムは正直気まずいです。
玉ねぎのスープに続き、前菜は地魚(血鯛)の窯焼きイタリア産レモンソース。今日は鯛の半身です。美味です。これはお箸が用意されていますので、トラットリアで箸にて魚を食べるという体験ができます。白飯欲しくなっちゃう。
〈ソラアンナ〉の、たっぷりチーズが乗っかった生パスタはもち豚のラグー・フェットチーネ。濃厚です。旨いです。※「ラグー」は煮込んだもの。「ボロネーゼ」や「ミートソース」と同系の調理法だそう。「タリアテッレ」と「フェットチーネ」はきしめん状の平麺で、ほぼ同義です
コーヒー 250円。ランチ11:30~売り切れまで(11:30のみ予約可)カフェ14:00~17:30 少し本格的だけれど、お店の雰囲気からして肩ひじ張らない良店ですよ。
〈ソラアンナ〉
〈住所〉神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下105
〈電話〉0460-83-8016
オルテンシア(ORTENSIA)
箱根湯本駅前の土産物屋が軒を連ねる中、温泉饅頭の〈丸嶋本店〉奥にあるエレベーターで4階へ。そこにイタリア食堂〈オルテンシア(ORTENSIA)〉があります。
箱根湯本駅のデッキから見える、割と有名なお店です。
〈オルテンシア〉のランチセットはスープとサラダとドリンクセット550円。大盛り100円。駅から近いし、おしなべて美味いんだけど、パスタの量が少ない点だけが不満です。
いい仕事をするんだけど、大盛でも150gはないんじゃないのでしょうか。正直言って男子は物足りないでしょうね。「桜エビとバナネイ海老と春野菜のガーリックソース」1,180円。プラス上記のセット価格のオプションがあります。箱根湯本駅のコンコースから雨に濡れずにアプローチできる地の利も持ち合わせています。
〈オルテンシア〉
〈住所〉神奈川県足柄下郡箱根町湯本706 丸嶋ビル4F
〈電話〉0460-85-8388
〈公式サイト〉なし
以上、箱根のランチで使えるおいしいトラットリア6件をご紹介しました。あなたの箱根散策のご参考になれば幸いです。