2012年4月14日(土)、新宿の「角川シネマ新宿」で開催された京アニ新作TVアニメ「氷菓」上映イベント。行ってきました。
以下、ネタバレと主観的な見間違え、聞き間違えがあるかもしれないので、オンエアが楽しみ方は見ないほうがいいです。
会場の1割ほどは女子かな。制作の狙いは成功かも。
21時開場、21時30分、「氷菓」1話上映開始。
BD画質だが、それでも劇場のスクリーンでは荷が重い。若干締りがない。これは仕方ない。
OP曲はスローテンポのヴォーカルから入り、イントロ明けにはじける感じ。ロックではないけどね。
OPアニメーションはご多分に漏れず、高山市と思われる背景が描かれる。
テロップにはスペシャルサンクスとして、高山市の関連団体の名称が4つほど明記されていた。斐太高校の名称もあったような。詳しくは他のレビューを参考に。
トークセッションで賀東はんがおっしゃっていたけど、シナリオ化する際、削るところがなくて困ると、その言葉通り、キャストのセリフはほぼ原作通り。いわゆる会話劇。
このあたりは観る側の意見は分かれそう。特に序盤、若干退屈に私は感じた。
そして、キャストの「声」。
ほうたるの中村はん、福ちゃんの阪口はんはいい感じ。
注目のえるの声を当てた佐藤はん。これは意見が分かれそう。オンエアされたらアンチを含めた議論にはなるでしょうね。
私は、ああ、佐藤聡美はんの声だ、とは思いましたが、「える」の声ではないかなと、最初は思って見ていました。
若干だけど、「律」のお澄ましした感じと聞こえなくもない。
ただ、この方はキャリア的にも滑舌がいいので、適役とは思う。
そして意表を突かれたのは「私気になります!」という「える」の決め台詞後の演出。
ほうたるの意識を具現化したものという解釈でいいと思います。有体に言うなら「絡め捕られ型一目惚れ」の表現なのかと。オンエアで確認してください。
EDアニメとED曲の披露は1話ではありませんでした。
「ハルヒ」でたまにあった、テロップを交えながらのまとめ演出。
具体的には、ほうたるが選択しなかった方の謎解きの種明かしが入ります。
音楽室で女生徒が見たものとは?ってあれです。
作画テロップには堀口はんの名前はなかったと思うのですが、音楽室で恐怖体験をする女生徒の作画はあの方なのではないかなあ。むしろ塗のタッチも含め白身魚はん的なんですけどねえ。だから堀口はんなのではないかと。だって、とっても稲葉姫子に似てるんですよ。。。見たくなったでしょ。
それとEDテロップには作画監督の表記がなかった気が。見落としかもしれませんが。敢えて今上映会では省いたのかどうか。このあたりも他のレビューを見てみてください。
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そしてトークセッションへ。
登壇:武本康弘、賀東招二、田中公平、佐藤聡美、中村悠一、茅野愛衣
武本はん、賀東はん、田中はん、佐藤はんに加え、サプライズゲストで中村はんと茅野はんが登壇。制作裏話が展開。以下思い出した点を五月雨的にに書きます。
*中村はん:「氷菓」は読んだけど、「愚者」以降は未読。そんな状態でも中村はん自身、物語展開がわかるようなアニメとして取り組みたい。つまり、アニメから入った人でもわかる物語にしてほしい(監督への注文)。
*武本はん:実写だとどうなるか気になる。。。佐藤と茅野にセーラー服を着せたい(会場爆笑)。要は高校1年になりたての「中学3年生」を演じてほしいということ。
*田中はん:ED曲は1話では流れませんでしたけど、キャストの方、、、と話を振り、暗にED曲はキャストが歌うことをほのめかす。直後に登壇者が客席最前列に座っていたランティス関係者に視線を送ると、その方は指でバッテンをしたため、「ああ、まだ言っちゃだめだそうです」という展開。これはそういうことになる、ということですね。
*賀東はん:「える」の「私、気になります!」発言後の変身シーン(笑)は複数あります。提案したけど、京アニ演出陣に結構ボツにされた。たとえば身長57メートルに巨大化した「える」が校舎を突き破るとか。
*佐藤さん:私も「える」が変身して空を飛んだりしたらいいかなと思います。
*武本はん:「える」の変身シーンはいろいろ用意しているのでお楽しみに、とのこと。意図としては、原作の行間から溢れるイマジネーションをアニメの演出者として凌駕したかったとのこと。
■好きなキャラクターは?
*武本:奉太郎。もう完全にホウタロー萌え。
*賀東:入須。最初(愚者のころ)は大嫌いだった。物語が進むにつれ大好きに。
*田中:えるです。
*武本:「える」は最初は駄目だった。こんな天使みたいな女子は実際いないんだと。でも佐藤はんの声を当てて、天使はいたんだと実感。でも今後、「える」の屈折した面も描かれるのでお楽しみに、とのこと。
*佐藤:遠垣内先輩もいいけど、「える」と「里志」
*茅野:奉太郎の考え方は現場の女子の間では話題になるけど、やっぱり「福ちゃん」です。
*武本:自分が女性に言われたいセリフを暴露。それは「いくじなし!」。
*茅野:(この発言を受け、たぶん摩耶花の声で)「いくじなし!」と突っ込む(会場爆笑)。
*中村:糸魚川教諭。小山はんのアフレコを聴いて感動した。そこに糸魚川はんがいると。
*賀東:熟女趣味?
*中村:それは酒の席で言ってください(会場爆笑)。
■最後に一言が各自あって、武本はん、賀東はんとも、2話がさらに面白いので、期待してください。とのこと。
実際、1話だけじゃ確かに判定できない感じです。「える」の声色がもう少しいい方向に崩れてくる展開が今後あるので、そこでどれだけ佐藤はんがやってくれるか。
「期待」という言葉はここでは使わずにおきます。
ただでさえ小難しい単語を含む言い回しの多い原作を言葉で理解させ、かつ邪魔にならずに、かつ演出上の見せ場として画を動かさねばならない。これは正直きついと思う。
1話の終盤、エンドロール見せながらの謎解きと、ほうたる、里志の応酬は多分、原作未読者だと、何を言っているのか理解できないと思う。しかもあの場面ではカットバックなどの演出上の遊びが入れられないほど、「言葉」に注目させねばばらない意図と諦めを同時に感じた。
確かにあのシーンでの二人のやり取りを記憶させておかないと、2話以降の伏線回収とつながるし。
2話では例の喫茶店でのやり取りとかがありそうなので、少し見えてくるのではないかと。
「2話も面白い」というスタッフ・コメントは「1話は駆け足でごめんなさい」と聞こえなくもない。「2話からが本番です」と。
少しはスローなテンポで見せてくれるのだろう、と思う。