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映画『スリー・ビルボード』(原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)を観た。


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映画『スリー・ビルボード』(原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)を観た。

若干のネタバレを含みます。

Billboard〉なんて言われると、menehune的には、新橋あたりの屋上看板を想像するし、(あっ、ごめん)中村真理はんがVJを務めた、TVKの番組を思い出す方もいるでしょう。
ランキング・メディアとしての認識だし、昨今ではライブハウスとしての認識も。
でも、本作でいうところの、
Billboard〉は、東海道新幹線の車窓から見かける〈立看板〉のことです。具体名は避けるけど。ありますよね。あれです。

全般、病んでる。
アメリカの現状を圧縮して見せてくれるし、そこには言いようのない悲しみや、矛盾が表現されている。
観ていて泣ける箇所は複数あるが、それを凌駕するくらい、登場人物の思考と行動・発言(言い回し)が常軌を逸しているため、呆れてしまう側面があるのも正直な感想。

町山はんもラジオの評で語っていたけど、クリント・イーストウッドの『許されざるもの』に若干イメージがダブる、という評は正しいかも。
しかし、本作に於いて、〈私怨〉の結末がどう結末を迎えるのか、そのあたりはボカされて終わるので、観る者の判断に委ねるとして、やはり、本作登場人物が、ほぼ全員〈ツンデレ〉かつ〈コミュ障〉で纏めることが出来るのではないかと思う。

物語の推進力となる警察署長のおかれている状況と、彼の選択がストーリーに与える影響力は、ちょっと反則かな、と実際思う。だって、そうすることで、物語が進むんだから。
彼の綴った文章が、終末期の状況におかれた個人の〈ひとつの選択肢〉である点は、落涙を禁じえないが、そこからのマザコン警官(これは日本でもある、子離れできない親のいい見本)の立ち直りようは、ちょっと美談に寄せ過ぎかなとも。

母親のことを(ババア・マ○コ)と罵る内弁慶な息子の描写ひとつとっても、とても、彼国の現実社会が健全でないことは明白なので、こんな胸糞悪い思いをしたくないなら、日本に住む我々に、観賞を敢えてオススメはしない。
知らずに済む現実は幾らでもあるのだ。敢えて迎えにいく必要はあるまい。

アカデミー有力候補と喧伝されている本作だが、決して、後味のいい映画ではない。それ込みで、アメリカの現状が同国で評価されるなら、悲しいことだけど、日本でも避けられないことなのかもね。
GUNはどうすんだ、という議論は止めておく。



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