menehune旅写真プラス

menehuneの写真旅の記録。お気に入りの映画、書籍とアニメのインプレ、ライフハックもたまに更新。


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【追記あり】JR川崎駅近くの桜並木を襲った異変について、川崎市に問い合わせ、JRに意見しました。


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川崎駅ラゾーナ広場(川崎駅北口西)の桜並木JR川崎駅近くの桜並木を襲った異変について、今回はちょっとした調査報告です。
東海道線京浜東北線で都心に通勤される方、その逆の方も、JR川崎駅を発車する際、また到着する際の桜並木をご存じでしょう。
上の画像は、川崎駅ラゾーナ広場(川崎駅北口西)の桜並木です。川崎市のウェブサイトでも紹介されています。

www.city.kawasaki.jp

毎年春にはおよそ500メートルにわたり、満開の桜が心を和ませてくれます。menehuneも30年近く通勤でこの光景を目にし、季節の移ろいを知り、心を癒されてきました。
しかし、2019年の夏、突如の異変がこの桜並木に襲い掛かりました。それはなんだかお分かりですか? menehuneもこうして定点観測していたからこそ、その異変に気付くことができましたし、同じ境遇の方はすぐに答えが出るかもしれません。

 

桜並木に襲い掛かる葛の蔓2019年、真夏の現場の状況です。JR東日本のレール敷石脇に自生する「葛(くず)」がフェンスを乗り越えて桜並木の枝にその蔓を巻き付けているのです。

桜並木に侵食する葛これは京急川崎駅側から桜並木を写したものです。もう桜の木なのかどうかも判別できません。これはまずいと思いました。しかし、根がズボラなmenehuneは、危機意識を持ちつつ、2020年の年を越してしまいました。桜も葛もお互いの葉は落ち、葛は枯れて、その枯れた蔓だけが、生きている桜の枝に絡まったままの状態です。
3月中旬以降の桜の開花に向けて、葛の蔓を除去しないと、2020年の夏にはさらに深刻な状況になりかねません。
川崎市の担当と、JR東日本はこの状況をどう捉え、行動、対処しているのか、それとも何もしないのか。訊こう訊こうと思いつつ日々は過ぎていきました。そして、2020年2月19日、川崎の現場を確認してから、当該部局に確認しようとして、現着したmenehuneの目に飛び込んできたのは、中途半端に伐採された葛の蔓と、枝を無残に剪定された桜の木だったのです。

越境してきた葛の蔓と伐採された桜の枝線路側から伸びた蔓の跡が、昨年の猛威を示しています。「剪定」と言えば聞こえはいいですが、要するに葛の蔓をちまちま除去するのが面倒なので、JR東日本の敷地側で枯れた葛の蔓が絡まったままの桜の枝を伐採してお茶を濁したのです。お解りでしょうか? こんなことを繰り返していたら、数年で桜並木は壊滅的な打撃を受けることになります。花の勢いは縮小していき、見る者の心を潤す景観の維持はできなくなるでしょう。
問題はいくつかあるので、当該部局に確認するためのQ&Aとしても機能するので、以下列挙しました。担当の幸区役所道路公園センター〉に問い合わせた結果とともに掲載します。

1)川崎市側は2019年に初めて発生したこの事態をどう把握し対処したか。
現場は把握していた。

2)枝を切ったのは川崎市か。 桜の枝を大量に伐採する以外の方策はなかったのか。
伐採したのは川崎市。毎年行っている通常の剪定作業です。

3)状況の根治(JR東日本の敷地側に自生している葛を根ごと伐採する)を行わないと、毎年このような状況となることを認識しているか。
認識している。対処はしないといけない。

4)JR東日本側と情報共有をしているか?
現在はしていない。

5)ブロークン・ウインドウ理論を引き合いに出すまでもなく、本件がJR利用客及び近隣の勤務者の心理に与える影響を考慮し、また景観保持のために今後行動指針を策定する予定はあるか。
JR側の立場もあるが、しかるべく行動していく。

越境してきた葛の蔓と伐採された桜の枝線路側から伸びた葛の蔓が、桜の枝に絡まったまま除去されていない個所もありました。

京浜東北線の車内から撮影したものです。いかに線路側の桜の枝が無残に伐採されたか、お分かりいただけると思います。桜が咲いたら、追って画像を掲載するつもりです。

【2020年4月2日追記】

伐採されたのち、開花を迎えた桜件のずさんな剪定の結果、葛の蔓が絡まったままの桜も寂しい満開を迎えました。
このままJR東と川崎市が何もしなければ、この蔓を伝って再び葛の越境が繰り返されるでしょう。

伐採され、花もまばらな桜やはりずさんな剪定をされた桜は、細かい枝がないため花の勢いがありません。

若枝を伸ばそうとする桜花もそこそこに枝葉を伸ばそうとする桜も見受けられます。桜の木の方も生存に躍起になっているように見えます。
【追記了】


この状況をJR東日本側にも確認しないといけません。根本の原因は同社の保線に関係しますし、乗客に与える心理的影響も決して軽微とは言えないためです。桜が満開の時期はごまかせても、真夏の葛の勢いの強さはみなさんご存じかと思います。桜の枝を年明け2月に伐採しなくてはいけないほどの葛の成長を食い止めるには、葛の成長を春先から抑止ないし根絶するしかないのです。また、この境界線に生えている桜とは異なる樹木(2‐3本)も、葛の侵入経路となるため、間伐するべきでしょう。
当該部局といっても、あちらは大企業ですから、JR東日本ご意見承りセンター〉という窓口に電話をかけ、意見させてもらいました。近隣の住民のご意見として、当該部署に伝えます、という定型句ではありますが、両者の歩み寄りにより、事態が好転すればいいな、と思います。

menehuneが神経質すぎなのかもしれませんが、東海道線横須賀線で、大船方面に向かっても、夏の盛りの葛の成長には恐怖を感じるほどです。くず粉として重宝される植物ではありますが、管理されていない野生種をのさばらしているとこうなってしまいます。JR東日本CSR報告書に関する公式サイトのページも拝見しましたが、どうも沿線の景観についての記述はないようです。こんなに茂らせちゃって、保線作業の妨げにはならないのでしょうか。

参考に、京都府の取り組みを見てみましょう。今回の調べ物がなければ、「景観法」という法律があることも知らないままでした。

天橋立における実験menehuneが昨年訪れた〈天橋立〉砂洲の道半ばに設置された看板です。ご覧の通り、ここ、天橋立でも葛の被害に対処しようとする、景観法に基づく取り組みが行われています。
天橋立では、※「白砂青松(はくしゃせいしょう)」と呼ばれる、松並木のあるべき景観を保全するための問題点として、〈客土(きゃくど)〉という他所から運ばれた土壌により、葛が持ち込まれ、松の木に蔓を伸ばすなど、問題視されています。また土壌が豊かになりすぎると、葛や松以外の樹木が育ち、広葉樹林への遷移が進み、松林の衰退につながるというのです。

※白い砂と青々とした松(主にクロマツ)により形成される、日本の美しい海岸の風景のたとえ。

www.pref.kyoto.jp
会の行動については、京都府のウェブサイトに詳細が掲載されているので、参考にされたい。特に、以下のファイルは今後、川崎市と、JR東日本が取り組む指針となると思われます。国定公園と川崎じゃあね、とか言ってちゃダメ。
天橋立公園の松並木と利用を考える会】第4回資料2-1天橋立公園の松並木と利用を考える会報告書(案)
〈松並木のあるべき姿、松の保全育成作業等(PDFファイル、1,554KB)〉

https://www.pref.kyoto.jp/hashidate-model/documents/s2-1-2.pdf


せっかく、〈川崎市景観計画〉があるのに、少なくともJR東日本は、景観法の責務は果たしていないんじゃないかと。川崎市も、この「葛災害」について、もっとJR側に働きかけるべきだと思います。

 




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