武田綾乃はん著、原作小説の記述を妄想しながら、アニメ『響け!ユーフォニアム』の聖地先行巡礼へ行ってきました。写真はすべてSONY SLT-A99VとTAMRON A007ないし、Minolta AF17-35の組み合わせです。
京阪電車・宇治駅はコンクリ打ちっぱなしの案外そっけない印象を纏っています。
コンコース然り。頑丈そうではあります。
京阪宇治駅のロータリーの向こうには大きな橋が架けられていて、それが宇治橋。宇治橋東詰交差点です。
橋の上からは塔の島(とうのしま)へと架かる朱い橋がいくつか見え、確かに原作どおり、観光地らしい風光明媚な景色を堪能できます。
もっとも、宇治川の治水工事が大規模に行われており、その魅力は半減以下だったのだけれど。
京アニはんのロケハンが行われたのか、それが何時だったのかは知る由もないが、かなりご苦労されたのではないかと。
宇治橋を渡り、左に折れると、
主人公の黄前久美子(おうまえ くみこ)がお気に入りの歴史ある茶屋や和菓子屋が軒を連ねます。巡礼中も、ほうじ茶を文字通り「焙ずる」香りがあちらこちらで漂っていました。お茶いくらあっても日々飲むものですからね。結構お土産を買いました。
写真右側が平等院入口になります。
原作ではこのあたりで久美子の幼馴染で、北宇治高校も同窓となり、吹部でも一緒となる塚本秀一に背中を押されたあたりでしょうか。
平等院通りから奥に伸び、橘橋に突き当たったら上流方面へ。
あじろぎの道は、宇治川沿いにあって、これをたどっていくと久美子と秀一の住むマンションにたどり着くはずです。決して二人で住んでいるわけではないですが。
「あじろぎ(網代木)」とは「網代」、つまり「やな漁」のように竹などで編んだ籠を留めておくための木、ということだそうな。
あじろぎの道を進んでも、実際にマンションはありません。ただ、それらしく見える建物があって、それがこれ。景観に配慮した低層階のマンションに見えなくもありません。用途地域的に、もしくは条例で、高い建物を建てられないんでしょうね。
その正体は、旅館〈花やしき浮舟園〉はんが営む、「SATORI」という和食処です。
【公式サイト】京都の旅館 宇治の旅館。京都の宿,宿泊施設,宇治,和食,花やしき浮舟園【ベストレート】
ちなみに平等院は改修が終わってすぐだったせいもあり、それほどの感慨もなく。正直いって、ありがたい古臭さを感じられませんでした。また、どうしても、ここ単体で成り立ってる感が強い。つまり成り立っていないんだけども。
本殿と、左右のウイングが繋がってもいなく、それって、どういうこと? というのはこれからの勉強となりますね。
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武田綾乃はん著、原作小説の記述を妄想しながら、アニメ『響け!ユーフォニアム』の聖地先行巡礼。後半は、京阪電車宇治駅から久美子の家までアプローチするいくつかのルートのうち、宇治橋を渡らず、特に気が滅入るダウナーなときのルートを巡ってみます。
京阪電車宇治駅から宇治橋東詰めの交差点を渡り、上流方向に川沿いの小路を進むと、宇治神社の鳥居が見えてきます。
小路を挟んで鳥居の向かいには朱色に塗られた朝霧橋が架かり、塔の島と結んでいる。
橋の手前には着物姿の男女が寄り添う像があります。浮舟(うきふね)と匂宮(におうみや)です。源氏物語の詳細は、久美子同様、読んでいないのでわたしも知りません。
朝霧橋の上から原作で久美子が腰掛けた堤防あたりを望む。
印象的な門ですね。アニメの劇中、出てくるでしょうか。
原作では宇治川の流れは密やかで、ざわめきの溶け込んだ静寂の心地よさを表現していますが、河川改修工事のせいなのか、塔の島の平等院側を堰き止められてしまっているため、存外川の流れは速く、少し怖くなるほどです。
麗奈が近くに住むという宇治上神社。宇治神社の鳥居をくぐり、本殿脇の道をさらに先に進むとあります。
世界文化遺産に登録された後に建て替えられたのだろう。その石の碑は痛いです、と感じるのは私だけではあるまいて。山を削った新興住宅地のようで、確かに家は多く見られましたね。
平等院鳳凰堂をモチーフにした、と原作に記述のあるJR宇治駅です。
久美子が中学時代の同窓、梓とサンライズフェスの帰りに合流し、寄り道するシーンに登場しますね。
確かに茶壷を模したポストがあります。。。
駅前に茶屋はなく、ソフトクリームが買えるのは観光案内所くらいなものでしょう。
物語終盤、あがた祭りに連れ立っていくことになった久美子は、麗奈から山登りの提案を受ける。ここで、麗奈が宇治神社と宇治上神社の違いを説く場面があるが、この違いは巡礼すればわかりますよ。
「山登ろうよ! 大吉山!」。正式名称は「仏徳山(ぶっとくさん)」というそうです。展望台への道は、急峻ではなく、道幅も広いですが、確かにサンダルじゃきつそうです。それと、原作の記述どおり、登山道(遊歩道)は街灯がありません。若干のリスクがあるものと考えたほうが良いでしょう。これから暑くなるのと、展望台に自販機はないので、水分持参はマストでしょう。
正直結構しんどいです。でも、山頂の明かりが漏れてきました。
この絶景を味わえます。
確かに、夜に来たいかもです。以上、桜が咲いてなくて残念だったけど、今回の巡礼はここまで。
宇治について感じたのは、正直言って、平等院周りの土産物屋くらいしか潤っていなさそうな印象ですね。JR宇治駅から宇治川までの商店街は終わりそうな空気が充満しているし、駅の反対側や、市役所のある方はそうでもないのだろうか。
京都駅からでも、京阪三条からでも、割合気軽に来られる距離なので、アニメがオンエアされ、聖地が明らかになってきたころ、また巡ってみたくなるかもしれません。了